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story30
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いや、考えたって分からない。
別に、あいつの過去が気になるとかそんなんじゃないけど。
ただ、知っておいて損は無いだろう。
それに河合の話に繋がるのかもしれない。
そして何故黒木が自分を見失ったのか分かるかもしれない。
そうしたら少しはあいつの事が...。
『あれ...』
それじゃあまるで黒木の事が知りたいみたいに......。
『っ!』
そう意識した瞬間、顔が中心から熱くなっていくのを感じた。
そんなわけないっ。あいつの事は俺に関係ないし、と言うよりどうでもいいはずだしっ!
むしゃくしゃしてきて、取り敢えず冷静に
なろうと部屋を出た。
すると隣から聞きなれた声がした。
「あれ、コウ!」
ギクッとしながら隣をゆっくり見ると、そこにはサクがいた。
手には沢山の参考書があった。
多分夕食後から今まで書斎で勉強していたのだろう。
前に瑞稀に書斎を見せたことがあるが、
「なにこれっ!すごーい!図書館みたい!」
と目を輝かせながら言っていたっけ。
確かに書斎にしては広いかもしれない。
「部屋の前で何して...って顔赤い!なんだ、熱でもあるのか?」
『ばっ!触んなっ!別に何も無い!』
サクが額に手を当てて熱を確かめようとしたため、体を軽く押し返した。
「それならいいけど。それで、何してたんだ?」
『別に何も』
「コウ。もしかしてその鍵、秘密の部屋のもの?」
『え』
こいつ、この鍵を知っている?
「それ、この間までは俺が所有していたものなんだ」
所有?
「母様に突然返せと言われたからどうしてだろうと思ったけど...サクが所有者になったんだ」
サクは鍵を少し見たあとに、優しく微笑んだ。
そしてそのまま言葉を続ける。
「別にその鍵になにか思い入れとかがある訳でもないし、いいんだけどね」
『そうかよ』
これ以上話を聞いていても、無駄なだけだと思い、そのまま立ち去ろうとした。
たが、前に進めない。
サクが俺の腕を引いていたからだ。
そして、真剣な目をこちらに向けてる。
「あの部屋には、秘密がある」
___________
その頃、都内某所の高級住宅街のマンション一室にて、黒木と男が1人。
黒を基調とした広い部屋。電気も何もついておらず、あるのは2つの影と月光だけ。
「...どうゆうことだ」
「どうもこうもない。話した通りだ」
重たい空気が張り詰める。
「ふざけるな。急に現れたと思えばそんな馬鹿げたことをいいだして。絶対にお前の思いどおりにはさせない」
「はっ。どうかね?お前にそんな力があると思えないが」
容姿のよく似た影ふたつが、一気に近づく。そして、黒木の耳元で男が一言。
「_____。」
「...は?」
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