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律兄ちゃんの家 1
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ピンポーン
律兄ちゃんのマンションに付いてチャイムを鳴らすと中からバタバタと足音が聞こえて、勢い良くドアが開く。
軽く電話で説明すると病院まで迎えに行くと言われたけどタクシーで行くと言って来たのは来たけど、固定された右腕と包帯の巻かれた左手首にガーゼを付いた頭を見て予想より酷く見てたのか一瞬、律兄ちゃんの動きが止まる。
「あ、入れ入れ。」
促されて、ドア開けて抑えてくれてる律兄ちゃんの前をすり抜けて中へ入った。
「雫、お前、骨折だって。」
「あぁ、うん。えへへ、頭ちょっと切っちゃったのと左手首捻っちゃったんだよね。」
「えへへ、じゃないだろ。こんなんなら迎えに行ったぞ。」
僕の荷物を持って、中に入って行く律兄ちゃんを追う。
2人の結婚を期に家を出た律兄ちゃんは凄い早さで資格を取って、メキメキ技術を上げていったらしく、有名サロンのNo.1として雑誌にも載っていた。
僕も何度か兄ちゃんのお店に行った事がある。
勿論、お兄ちゃんに切ってもらった。
『キャー!!雨宮さんの弟さん?!』
『嘘?!めっちゃ、可愛いんですけど!!』
『キャー!!スベスベの白肌にクリクリお目にプルプル唇。って!!何?!羨ましい過ぎるんですけど!!』
『ヤバい!!オレ男だけど、雫君ならいける!!』
『おい!!律!!弟君にカットモデル頼んでいい?』
うん、なんか騒がしかった。
律兄ちゃんがお客さんの前にも関わらず、『うるさい、触るな、させねー』と無愛想に対応してた。
このマンションも独立を期に近い場所に引っ越したのが先々月らしい。最近までは忙しかったのか、まだ荷物の解かれてないダンボールが部屋の隅にあったけど、それ以外は木目調のダークブラウンを中心に家具が揃えられていた。
大人の落ち着いた部屋って感じ。
ただ、テレビの横に並べられたカットモデル用の頭だけの人形は悪趣味だけど。
「律兄ちゃん、生首が怖い。」
「生首って、あったら、それこそ怖いわ。ウィッグな。」
そう言いながらも僕の見えない所に片付けてくれる優しい兄ちゃん。
僕がソファーに座ると律兄ちゃんも横に座る。
「雫、何があった?」
そう言いながら、僕の頭の傷を優しく撫でてくれる。
優しい、律兄ちゃんの手。
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