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穏やかな日常 1
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次の日の朝、7時前には起きて律兄ちゃんは僕が食べやすいようにと洋食を用意してくれて、久しぶりに穏やかな朝食を食べた。
そういえば、3人で過ごしてた時は朝起きてから、寝るまで気を張っていたんだな、と思った。
着替えに悪戦苦闘していると手伝ってくれて、顔まで洗ってくれて、髪のセットは要らないと言ったのに楽しそうにやってた。流石に歯磨きは自分でしたけど。
手首痛い。
8時過ぎに、これを使えと合鍵を渡された時は恋人気分で律兄ちゃんにバレない様にニヤニヤしてた。
律兄ちゃんが家を出ると僕も鞄に必要な物を入れて家を出た。
「えっ?!雨宮、それどしたの?!」
友達の野々宮 匡(ののみや たすく)が驚き僕の身体をぐるぐる回って見る。
「のの、目が回るよ。」
「あ、すまん。で?何があったの?」
「あー、駅の階段で…」
へらりと笑って答えると「ばっかだなぁ〜」と言われた。
うるさい、わかってるよ。
「講義どうすんの?」
「あ、うん、出るよ?」
「いや、それじゃ筆記無理だろ。」
「よし!!任せとけ!!」そう言ってののは携帯を弄りだす。
ののは、大学入学式に僕に話しかけてくれて、僕より少しだけ大きい背で髪の色がコロコロ変わってピアスが沢山付いた見た目ヤンキーっぽいやつ。でも、人懐っこい性格で講義もきちんと受ける真面目さん。皆に愛されるキャラだ。
そんなんだから、僕もすぐに大学に馴染めて、ののといると楽しい。
因みに今の髪色は珍しく黒だ。
なんで黒か聞いたら、目指せインテリとか言ってた。
いや、髪色だけ変えても。
携帯を弄るののと並んで講義室まで向かう。
席に着くなり、ワラワラと周りに人が集まる。
「え?!雫君どしたの?!」
「大丈夫なのそれ?!」
知った人もいれば中には知らない人までいて、集まった人数は10人以上だ。
「はいはい、ストープ!」
ののが両手を上げて声をかけると口々に喋っていた皆んなが黙る。
「みんな、ありがとね。…で、御覧の通り、我が学部のアイドルが、うっかりちゃっかり階段から滑り堕ちちゃいまして。って事で皆んなに講義の代筆を頼みたい理由でして。」
と、皆んなにお願いしてくれるのの。
ありがとう。と言いたい所だけど、さっきの発言、ツッコミたい所満載なんだけど。
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