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穏やかな日常 2
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「ぁ、の、集まってくれて、ありがとう。でも、皆んな…いいのかな?」
嬉しい気持ちと申しわけない気持ちが交差する。
すると、皆んなは笑顔で任してと言ってくれる。
そう言ってくれるなら甘えてと、某コミュニケーションツールを交換して僕が完治するまでサポートしてくれる事になった。
仕組みとしては、前の日に次の日の講義日程を知らせる、すると、同じ講義に出る人が講義後に講義内容を書いたノートをプリントしてくれる。勿論、僕も一緒に講義に参加するけどね。
そんなこんなで、のののおかげで大学の心配もなくなった。
お礼にお昼をご馳走しよう。
お昼に学食に行くと、『しずちゃんサポート隊』(ののが勝手に考えた)も何人か集まって食事をする事になった。
「でも、災難だったねぇ。片手なら何とかなっただろうにね。」
「本当だよな。でも、家じゃ大変じゃないのか?」
皆んな心配して色々聞いてくれる。
「うん、本当ドジだよね。でも、兄ちゃんがいるから大丈夫だよ?」
「えっ?何、しずちゃんってお兄さんいたの?」
「あ、うん。5つ上と7つ上にいるよ?」
「マジマジ?!雨宮の兄貴ならイケメンだろうなぁ」
「いや、どっちかと云うと綺麗系じゃない?」
「「で、どうなの?」」
「えっ?…どうなのって聞かれても…多分、イケメン?」
「マジか!!」
皆んなとお兄ちゃんの事以外も沢山話ながら、痛む左手でゆっくりと食事をした。
午後の講義を受けて、ののはバイトがあると先に帰って行った。僕は食堂で一緒になった友達と構内を歩く。
今年は、梅雨らしい梅雨が来ないかわりに随分と早い夏の気配を感じる。陽射しも暑くなり陽が沈むのも遅くなってくると、校内を歩くだけで、じわりと汗が滲む。帰りにカフェでも行こうと誘われて、校外へ向かっていると門の辺りでガヤガヤと小さな人集りが出来ているようだった。
「あれ?何だろな?」
「なんだろ~なんか、あるのかな~?」
「ん?なんか男前に女がワラワラ集まってんな?」
「何?!男前?」
皆んなが見ている方へ僕も視線を向けると、見知った姿が見えた。
「えっ?正兄ちゃん?!」
僕の声に周りにいた友達が一斉に僕へ向く。
「えっ?何、あれがしずちゃんのお兄さん?」
友達の声に皆は、もう一度正兄ちゃんを確認して僕を見る。
「ヤベ、ごっついイケメンじゃん!!」
「うっそ~、レベル高っ!!ちょっとちょっと雨宮君、紹介してよ~。」
僕の周りの友達が騒ぎ出すと、正兄ちゃんの視線がこっちに向いた。
「雫!!」
手を上げて僕を呼ぶと周りの人にごめんね、と言って人集りから抜け出して走って来た。
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