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想い 6
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「っと、ただいまー、って…何で兄貴がいんだよ。」
仕事から帰った来た律兄ちゃんが、キッチンに僕といる正兄ちゃんを見て怪訝そうにする。
「今日ギブス外すのに病院に連れてってくれたんだよ。」
「いや、それは知ってるけど。」
「なんだ、俺がいるのに不服なのか?」
ニヤリも意地の悪い顔の正兄ちゃんに律兄ちゃんもニヤリと返す。
「あぁ、不服だな。また、愛美さんが癇癪を起こすぞ。」
「あぁ、その事もあって律に話があっているんだよ。」
「なんだよ、話しって。」
「色々と長くなるから、先にご飯にしよう。今日は久々に雫の手料理だ!!」
律兄ちゃんがまだ、何か言おうとしてたけど、正兄ちゃんは料理をテーブルへ運んでいく。僕も不満そうな律兄ちゃんの表情にどうしようかとオロオロするが小声で大丈夫だよと笑顔の正兄ちゃんが言うから一緒に準備をした。
久しぶりの3人での夕食。
最初は怪訝な表情だった律兄ちゃんも好物を目の前にすると笑顔で食べていた。
美味しい美味しいと言って食べてくれる2人に僕も釣られるように笑顔で食事が出来た。
片付けを終えると正兄ちゃんに言われて、2人分の珈琲と僕のミルクティを入れて席に着く。
正兄ちゃんの横に僕、前に律兄ちゃんが座る。
「で?」
律兄ちゃんの簡素な問いかけに僕は緊張した。
正兄ちゃんは大丈夫だって言ってくれた、でも、律兄ちゃんが僕と正兄ちゃんの事をどう思うのかに不安だった。
僕と正兄ちゃんの事を聞いた律兄ちゃんが気持ち悪いと思うかもしれない。
僕の事を蔑んだ目で見るんじゃないかって。
もう兄弟では居られなくなるかもしれない。
正兄ちゃんへの恋心が届いて嬉しい。でも、律兄ちゃんに否定され突き放されたら、って思うと怖い。
僕が好きだからって、彼女の居る律兄ちゃんが僕と同じ想いな訳がない。
ただ、否定される事に酷く不安になった。
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