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大好き
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僕の長い長い片想い。
血の繋がりはなくても、小さい頃から兄弟として共に生活してきた。
男の僕が男である2人を好きになるなんて可笑しいって思ってた。
ずっと2人を好きだった僕とは違って、2人は異性が好きでモテるし彼女だって何度も見てきた。
現に正兄ちゃんは結婚して、律兄ちゃんには彼女がいると思ってた。
叶うなんて爪先程にも思ってなかった。
なのに、まさか、正兄ちゃんと律兄ちゃんが僕を好きだなんて。
嬉しかった。
こんな未来があると思ってなかった僕は幸せだった。
けど、それとは逆に2人のどちらかなんて無理だった。
選べなかった。
これからも、選べない。
だから、そんな僕のせいで2人を傷つけるのはイヤだった。
だのに、2人は何でもない様に言った。
『どっちも選べ』って。
正兄ちゃんと律兄ちゃんの暖かさと優しさ。
僕はそこまで言ってくれる2人を突き放すなんて事出来ない。
違う、僕が2人から離れられないんだ。
もしかしたら2人は分かってるのかもしれない、分かっていて僕に『どっちも選べ』って言ってくれてるのかもしれない。
そうだとしたら、僕はなんて我儘で自分かってなんだろう。
でも、それでも2人の言葉に縋りつくんだ。
捨てる事も選ぶ事も出来ないなら、この小さな身体で2人をいっぱい愛して行こう、って。2人の言葉に2人が後悔しないよう、2人を選んでくれて良かったって思ってくれるように、いっぱい、いっぱい愛していこう。
「正兄ちゃん」
「ん?」
「僕は、正兄ちゃんが大好きです。愛してます。」
正兄ちゃんは一瞬見開いた目を細めて笑顔をくれた。
「俺も雫が大好きだよ。愛してる。」
「律兄ちゃん」
「あぁ」
「僕は、律兄ちゃんが大好きです。愛してます。」
律兄ちゃんは、にっと笑うと僕の頬を優しく撫でた。
「あぁ、オレも雫が好きだ、愛してる。」
僕の長い片想いは辛くて哀しい事ばかりだった。
でも、正兄ちゃんと律兄ちゃんの優しさと暖かさに包まれて、やっと花開いた。
けして、正しい事じゃないけど、2人が愛してくれるなら
僕は我儘だから、欲張ってこの恋を選んぶんだ。
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