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12.〜司side
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「司さんおかえりなさいませ」
「若ぁぁ!おかえりなさいいい!」
「つかっさん!おかえりっす!」
「「若、おかえりなさい」」
そう言って俺を迎えてくれた第2補佐の九条誠と
俺を筆頭にして動く執行部の荒井凪、山城優そして双子の伏見琉樹と瑠衣だった。
第1補佐と第2補佐である、桜庭京と九条誠も執行部に含まれ、執行部はこの6人で形成されている。
「ああ、ただいま。」
「若、先に会長のところへ行ってきてください。」
「そうだな。」
会長というのは俺の親父であり黒崎組の組長である。
他の6人は先にに行っていると言い俺は1人で親父のいる部屋に向かった。
「親父、俺だ。」
「おー入れ」
入る許可をもらい中に入れば、そこには親父と珍しくお袋がいた。
「あら、司久しぶりじゃない。」
「そうか?」
「ええ、そうよ」
そう微笑んで笑うお袋の隣には組長の顔というよりは父の顔をした親父がいた。
「で、今日はどうしたんだ。」
「あー、桜庭から聞いてると思うけど、裏切った長崎の口を割らせに来たんだ。」
「そうか。まあ、お前ならすぐ終わるだろう。今日は泊まって行くだろ?」
「いや、終わらせ次第すぐに帰る」
「なんだ、何かあるのか?」
そう質問されて佑月のことを話すべきか話さないべきか
少し考える。
きっとお袋はすぐに許すと思うが、親父はどうだろうか…
だけど、これ以上隠しておくことはできそうにない。
「親父…実は餓鬼を拾って今そいつの面倒を見てる」
「餓鬼だぁ!?」
「ああ、そうだ。」
「どうするつもりだ。」
「虐待を受けていて、とてもじゃないが家に帰すには気がひける。」
「そうか、ならお前はその餓鬼を最後まで守り通す事が出来ると言えるか?」
「…守る?」
「お前と一緒にいれば必ずその子はこちらの世界に関わってしまう事になる。それは何を意味しているかわかるな?」
命を狙われてしまうかもしれない。大切な何かを失うかもしれない。こちらの世界にくるということはそういうことだ。
しかし、佑月にとっては今もかなり辛い世界にいるんじゃないか?なら俺の答えは1つ。
「とりあえず、俺たちはまだ怪我が治るまでの関係だ。あいつの意思でこちら側に来たいと言えば、俺は最後まで守るよ。」
「覚悟があるならいい。お前の好きなようにやれ」
「ありがとう」
親父と話を終え、早く帰りたいと思いながら
俺は長崎の元へと向かった。
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