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「佑月!!」
「おい、佑月!しっかりしろ!」
誰かが僕を呼んでる。
誰だろう…
こんな僕の名前をまだ
呼んでくれる人がいたんだ…
段々と意識がはっきりしてきて
再び僕は目を開けた。
「つ、、か…さ?」
「…!」
目の前にはあんなに会いたかった司がいて
司は僕のことを思い切り抱きしめた。
「ほん、と…に司…なの?」
「ああ…」
「ど…うし、、て…いるの…」
「そんなのお前ともう1回話したかったからだ」
「え…?」
「会って謝りたかった…」
「ううん、司は悪くない…の。全部僕がやった、、ことだからっ…」
「それでも…俺はお前に酷い事を言っちまった。佑月…ごめんな。」
「司…なんて顔して…るの…。僕ね、、ずっと司に会いたかったんだ…」
「ああ、俺もだ。」
「だから…会いに.....きて、、くれてっありが、とう…」
今まで会えなかった分を全部込めて司を佑月は
力一杯抱きしめ返そうとしたが、
体が思うように力が入らなくて、司の服を軽く握る。
それでも精一杯僕なりに抱きしめ返した。
「佑月、身体が冷え過ぎてる。まずは車まで運ぶぞ」
「でもっ…」
「もうこんな場所にいる必要はないだろ?」
「…。」
こんな場所にいる必要はない…か。確かにそうかもしれない。5年間ここにいていいことなんて1つもなかった。
嘘でもいいから1度だけでも愛されたかった。
「行ってらっしゃい」と一言声をかけてもらいたかった。
でも、結局…だめだったんだね。
なら、僕は司と一緒にこの家から離れるよ。
さようなら。
司は佑月を抱き寄せ車まで運ぶ。
その途中で、家から笑い声が聞こえた。
明るい家から絶えることのない笑い声
そして外から見てとても暖かそうな家庭。
やっぱり僕は邪魔だったんだなと感じる。
「アイツらっ…!!」
その声に苛立ちを感じた司は許せなく
そのまま殴り込みに行こうとする。
「若、ダメです。抑えてください。」
すると僕の知らない人が司を止めた。
だけど、今はそんなことを気にできるほど
佑月は頭が回っていなかった。
そのまま司は怒りを抑え佑月を車に乗せる。
「佑月、とりあえず医者行くぞ。」
「大丈夫…だから…いい」
「何言ってんだ。体は大事にしろって言っただろ」
「うん…」
「桜庭、普通の病院だと色々面倒だ。組に戻って風見に診てもらう。」
「わかりました。」
そして3人は組へと戻り、風見という男の場所に行った。
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