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僕が桃子さんの腕の中で泣き止んだのは
泣き始めてから10分くらい経った時だった。
その10分間僕の背中をトントンと小さい子供を
あやすように撫でてくれて、とても暖かかった。
泣き止んだ僕を見た桃子さんは一度離し、
次は肩を掴み真剣な目で見てくる。
「佑月くん、私のお願いを1つ聞いてもらえるかしら?」
「僕に出来る事であれば…」
「私の息子を…司を…信じてあげてもらえないかしら?そして少しでも支えてあげて欲しいの。」
「え…僕が、、ですか?」
「まだ人を信じる事は難しいかもしれない…だけど司はきっと佑月くんに応えてくれるわ。それに司は、幼い時から若頭の責任を背負って生きてきていてね…色々な不安もあったと思うの…だからそんな司の支えになってあげて欲しい。」
「僕に…出来るでしょうか…」
「いいえ、貴方にしか出来ないことよ。司…佑月くんと出会ってから少し変わったのよ。他人を心配するような人じゃなかったし、前までは少し荒れていたの。だけど…最近の司はどこか楽しそうで人を大事にするようになったわ。だからこれは貴方にしかお願いできないことなの。」
「僕も…きっと司がいなかったらあの家から逃げ出すこともできなかったし、もしかしたら死んでいたかもしれない。そんな僕を救ってくれたのが司だった…そんな人を少しでも助けてあげる事がぼくにできるのなら。」
きっとまだ完全には、みんなのように信じる事はできない。だけど、恩を返すことが出来るのならば、僕は司の力になってあげたい。
今まで誰かにこんなに何かしたいなんて思ったこと
なかったけど…なんでかな?司にはもっと幸せになってもらいたい。
「勿論、佑月くんは私たち、黒崎組が支えるわ。だからいつでも頼って欲しい。決して貴方は一人じゃない。みんなで支え合うのがこの黒崎組よ。もうここは貴方の家も同然だわ!だからいつでもまた遊びにきてね。」
「…うぅっ…あり、、がとう…ございますっ」
そして、桃子さんと僕は司たちが帰ってくるのを
待ちながら二人で、沢山色々な話をした。
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