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司が手術を終えて、2日目。
まだ司は目を覚まさない。
その間僕はずっと病室で司が戻ってくるのを待っていた。
そんな僕の元に桜庭さんはご飯を持ってきたり
休みなさいと言いに毎日くる。
僕の心配なんてしなくていいのに…
「佑月さん、少しはお休みになってください。」
「司が…目を覚ますまでは…司が、頑張っている間はっ…寝るわけにはいきません。」
「佑月さんが倒れてしまいますよ。もし倒れて、その倒れている間に目を覚ましたら、若にはすぐに会える事は不可能になるでしょうね。」
「でも…」
「1時間だけでもいいので寝てください。」
「わかり…ました。」
それから僕は別室で寝ることにした。
……………
……………………
……………………………
あれ…ここはどこだろう?
病院にいたのに、周りを見渡せば
何もないただ真っ暗な場所。
その中、特に行き場なんかないのに
ひたすら真っ直ぐ歩いた。
歩いて5分くらい経っただろうか。
前を見るとそこには1つの明るい光。
更に進めばその光はどんどん大きくなる。
その奥の方で誰か1人だけ立っているような気がする。
その誰かに向かって走れば、そこには僕が知る人…
「お母さん…?」
「あら、佑月?貴方また何かで悩んでいるの?」
「ううん、お母さん…あのね、司が目を覚ましてくれないんだ。僕の恩人なの。」
「そうなのね、その人を佑月はどう思ってるの?」
どう思っているか…前にも優さんに似たような事を聞かれた気がする。
あの時は迷って迷って…すぐに答えるは出来なかったけど今ならなんとなくわかる。
「好き…なんだと思う。」
「あらあら、佑月にも遂にそんな人ができたのね」
「でもね…僕、暫く愛されて来なかったからさ…よくわかんないんだ。」
「…。」
「だけど、僕が自信を持って言える日がきたら必ず言うよ。」
「ふふっ男前になったじゃないの!なら、早くその人の元に戻りなさい。」
「でも…起きてくれない。」
「大丈夫、必ず…必ず目を覚ますわ。」
「うんっ、ありがとうお母さん。」
「体には気をつけて…じゃあね。大好きよ佑月。」
「僕も大好きだよ、お母さん」
そうして、お母さんは光の奥へと行ってしまった。
僕が手の届かないところに。
前に会った時に言われた事について
聞こうと思ったんだけどな…
それは自分で答えを出せって事?
なら…僕はいけるところまで頑張るよ。
……………………………
……………………
……………
「佑月さんっ!佑月さん!!」
「あ、、れ?桜庭さん?」
「佑月さん、若が目を覚まされました」
「ほ、本当ですか!?」
「ええ、ですから病室に行きましょう。」
何故だか、あの夢を見たせいか…
お母さんが司を救ってくれたような気がした。
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