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「で、要件はなんだ?」
先ほどとは違い、真剣な司が優さんに尋ねる。
すると、一気に空気は変わり始める。
「あ、そうでした。実は…達川を拷問にかけたところ、
達川組を裏で操っていた者がいたようでして。」
「黒幕は他にいるということか。」
「ええ、伏見らに今調べさせているところなんですが、なかなか手こずっているみたいです。」
「はぁ…また厄介なことになったな。」
「暫くは時間がかかりそうです。」
まだ…あんなことが続くの?
司はそれに関わらなきゃならないの?
一気に押し上げる不安と恐怖
それは僕の近くにいる司にすぐに伝わった。
「佑月、大丈夫だ。もうこんなヘマはしねえ。」
「でも…」
「お前が支えてくれるんだろ?なら俺はもう誰にもやられたりはしないな」
ああ…そんな風に言われたら僕は「うん」と頷くしかないじゃない。
この人はどこまでも強い人なんだろう。
「無理はっ…しないで…」
「ああ、わかってる。」
司がやるというのなら僕は最後まで支えてみせるよ。
そんな意味を込めて僕は司の手を強く握りしめた。
「じゃあ私からも1つ報告ね。」
桃子さんは急にモジモジしながら
司に話しかける。
「なんだよ、」
「来月、刀哉さんと結婚記念日で1週間本家を開けるから頼んだわね!その頃には貴方も完全に回復している頃でしょうし。」
刀哉さん…?誰だろう。
司の方を振り向けば、呆れた顔をしてため息をついている司がいた。
「本当…仲が良過ぎて呆れるな。まあ、わかった。」
「ふふっ!ありがとう!」
んー気になる。やっぱり聞いてみよう。
「あの…刀哉さんって?」
「あーお前はまだ会った事がなかったな。俺の親父で、黒崎組の会長…それが黒崎刀哉だ。」
「司のお父さん!ってことは桃子さんの旦那さん?」
「そうよ!本当にかっこいいのよ!今度会わせてあげるわ!」
「あ、はい!是非」
司のお父さんかぁ…
どんな人なんだろう?
きっと司の容姿を見る限りかなりかっこいいんだろうな
それにあの綺麗な桃子さんの旦那様。
気になる。
「佑月」
「佑月くん」
「間違っても惚れん「なよ」「ないでね!」
うわ、息ぴったり。
さすが親子といったところか。
っていうか…僕が司以外の男の人に目移りする訳なんてないのにな。
「僕には司だけだよ。」
「その言葉覚えておけよ「おいてね!」
んー、刀哉さんはそんなに魅力的な人なんだろうか…
二人が言うんだから間違いないんだろうな。
まぁ、会えばわかることだし今はそっとしておこう。
すると、トントンと再び扉を叩く音が聞こえ、
見てみればそこには、桜庭さんが再び来ていた。
「桃子さん、そろそろお時間です。」
「あら、そうだったわね。じゃあ佑月くん司をお願いね!」
「はい。」
「それと優、お前も行くぞ。」
「あ、はいっす!」
「「では、失礼いたします」」
3人は病室を出て帰ってしまった。
「なんか忙しそうだね」
「俺が桜庭に頼んだからな」
「何を?」
「佑月、お前話したいことがあるんだろ?」
「え、なんでそれっ…」
「桜庭から聞いてな、時間を作るように手配した」
わざわざ、時間を作ってくれたんだ。
ありがとう。桜庭さん。
「そっか、でも2人にはなんだか悪いことしちゃったね。」
「あいつらが居ると五月蠅いからな、丁度いいさ。」
こうして僕は司と再び話し合うことになった。
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