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司が書斎でさっき優さんからもらっていた
資料を読んでいる間、僕は司が作ったご飯を食べながら
だらしなくスマホをいじっていた。
『いつになったら学校にくるの?』
『どうしたの?』
『先生も心配してるよ』
そんな連絡ばかり入っていて、みんなに会いたくなってしまった。
まぁ、先生が心配しているだなんてのは嘘だろうけど。
「学校…かぁ」
司に相談して、考えてくれているんだろうけど
本当にまた学校に行けることは可能なのかな?
可能だったらいいんだけどな。
「今日のご飯も美味しい」
そう言って学校のことを少しでも考えないように
今食べているご飯に集中することにした。
もちろん、みんなの連絡を見ていたスマホを
返事を返さずに閉じた後に。
すると、扉が開き司が出てきた。
「司〜」
寂しくなった僕は出てきた司に抱きつく。
「ん?何かあったか?」
「ううん、ただ抱きしめたくなっただけ」
「そうか」
頭にポンと手を乗っけて撫でてくれた。
「あと1時間後に家を出るから佑月も準備しておけ」
「うん、わかった」
食器を片付けに行こうとした時…
「佑月、ちゃんと考えてるから心配するなよ」
後ろから優しく発された言葉に僕は涙が出そうに
なったのを抑えながら、後ろを振り向いた。
「うんっ!ありがとう」
笑って返事をした僕は、すぐに寝室へと行った。
「聞こえてたかな」
だとしても、それをちゃんと言ってくれたことに
僕は心の中でもう一度、感謝をした。
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