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73 〜司side
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佑月と離れた後、親父の部屋へと向かう。
資料の内容はこうだった。
伏見らに調べさせていた、達川が言う黒幕についてだ。
しかも報告書は最悪なもので
いくら調べさせてもその黒幕は出てこなかっただけではなく、何重にもロックがかかった上で、ウイルスまでも送り込まれたらしい。
そして最後に1つメッセージを送り込まれた。
『We can't find it for you.』
「お前達に私たちは見つけられやしない…か」
改めて報告書を見ると本当に遊ばれているようだな。
何か、自信に繋がるものが彼らにはあるのか…
「なめられたものだな」
まぁ、今のうちに楽しんでいればいい。
報告書を閉まい、親父の部屋へと入る。
「急に呼び出して悪かったな」
「資料には目を通したか?」
「ああ」
「お前はどう考える」
どう考えるというよりは餓鬼の遊びにしか見えない俺は
まだまだ甘いのか…?
「正直、餓鬼がちょっとした力を手に入れてはしゃいでいるようにか見えないな」
「それで?」
「餓鬼は挑発さえすればすぐに尻尾を出すだろう」
「ふっ、全くその通りだな」
親父は組んでいた足を変え、鼻で笑う。
そう、親父にはこんな馬鹿がやりそうなことなど
すぐに解決できてしまうのだ。
ただトップの座に座り
黒崎組の会長をしているわけじゃない。
この人自身に実力がある。
だから俺は親父を尊敬している。
勿論言うつもりはないが…
だからこそ今回は俺がやる。
「今回は俺に任せてくれ」
「ああ、最初からそのつもりだ」
親父は即答し俺にこの仕事を託してくれた。
「で、親父…話はそれだけじゃないだろ」
「ああ、よくわかっているな」
「まぁ…予想はつくが…」
「なら、話は早い。来週から頼──「司!頼んだわよ!」
急に扉から飛び出してきたのは、桃子だった。
「うるせえ…」
「あら、何?司!私たちの旅行について行きたいの?」
「なわけねえだろ」
耳が痛くなる声だな…まったく。
「桃子、はしゃぎたい気持ちはわかるが少し…な?」
「刀哉さんが言うなら仕方ないわね」
「あとでたくさん構ってやるから」
桃子を膝に乗せ頭を撫で二人でイチャイチャし始める。
「あら、ありがとう」
それに対してデレデレしている二人を見て
俺もかなりの限界だった。
「そういうのは後でやれよ」
「まぁ、そうだな」
なんとかやめてくれたので話を戻す。
「1週間だよな」
「ああ、そうだ」
「わかった」
「その間黒崎組を任せたぞ」
「ああ」
まぁ、旅行の話をただ単に
自慢したかっただけだろうなこれは。
仕事はできるのに他が残念だ…
まぁ、そっちの方が人間身はあるか。
「じゃ、もういいぞ」
「あー、佑月が親父に会いたがってるから連れてくるわ」
「佑月くんか!わかった。楽しみにしているな」
「佑月くん可愛いのよ」
「そうかそうか」
「じゃ、連れてくる」
そう言って扉を開け佑月を迎えに外に出た。
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