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74 〜司side
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親父の部屋を一度出た後、
たびたび廊下ですれ違う幹部に挨拶をされながら
俺は佑月の元へ急ぐ。
そして、あっという間につき部屋の扉を開ける。
「司っ!」
そう言って飛び込んで来る佑月を優しく迎える。
いつも俺が帰ると目をキラキラさせて
まるで子犬のようにはしゃぎながら
飛び込んでくる佑月が毎回可愛くてしょうがない。
「待たせたな」
「うんっ」
本当に佑月の尻に尻尾が生え喜ぶ犬のように見えるのは
おそらく幻覚だな…
「親父が待ってる、行くぞ」
「んー…」
あれほど会いたがっていた親父に今会えるというのに
佑月は少しソワソワし始めどうにも浮かない顔だった。
「どうした?」
キョロキョロ周りを見た後佑月は俺の袖を握り
少しドタバタさせながら見上げる。
「な、なんか緊張してきたっ…」
なんだ、そういうことか。
「大丈夫だ、そこらへんのお父さんとやらと大差変わりはない」
「でも黒崎組の会長さん…」
「仕事の時は確かに怖いかもしれないが今は大丈夫だ。きっとお前の事を息子…いや孫か。孫のように接するはずだ」
「本当?」
「ああ、あの人も鬼じゃない」
「よかった!でも安心して!絶対僕には司だけだからね!」
「フッ…しっかり自分の言葉には責任を持てよ」
「任せて!」
笑顔で応えた佑月の手を取り、二人で手を繋ぎながら
部屋に向かう。
そんな中、俺は手を絡ませ佑月を弄る。
「ちょっ…司…触り方っ…」
「ん?」
「…やめて」
「何が?」
ニヤニヤしながらさらに遊び続けると
佑月の顔かわ段々と赤くなっていくのがわかる。
「佑月?」
「んもう!あとで!」
「言ったからな?」
「え、あ…いや、、違くてっ」
これだから佑月をからかうのはやめられない。
オドオドしている佑月の頭に手を置き
撫でてやるとまた顔が赤くなり、目をそらす。
「ああ、もう早く行こ!」
「なんだ、緊張は溶けたのか」
「おかげ様でっ!」
そのまま一人でズカズカと進んで行ってしまった佑月だが
途中で足を止め、またキョロキョロする。
「次はなんだ」
「…僕っ場所わかんない!」
「ああ、だから迎えに来てやったんだろ」
「もうっ嫌だ!恥ずかしい!」
顔を手で覆い、しゃがみ込んだ佑月。
それを更にいじめたくなる俺は性格が悪いだろうか。
「フッ、それで場所がなんだって?」
「むっ…わからないから教えてください…」
「そうだな、さぁ行くぞ」
しゃがみ込んだ佑月に手を差し伸べ
次こそは行くぞと手を引っ張った。
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