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あれから家に帰ってきた僕たちは
着替えた後学校についての大事な話である事は
承知の上で司にくっ付きソファに座っていた。
「で、だな…まず佑月には悪いが送り迎えは必ずついた状態での登下校になる。前にもあったが…常にトップの組織にいると何かと座を狙いに馬鹿な考えを持った連中どもが狙いにくるからだ」
「うん、わかった」
「悪いな、普通の生活にまで戻してやれなくて」
司の大きな手が僕の頭を撫で、少しだけ顔を歪ます。
これだけ考えてくれただけでも十分嬉しいし
司あっての僕なのだから、別に不満な事なんて何1つあるわけがないんだ。
「学校行かせてくれるだけでも、僕嬉しいよ」
「そう言ってくれるとありがたいな」
「司の事情が最優先だもの」
「そうか、ちょっと待ってろ」
すると司は何故かか立ち上がり
リビングを出て行ってしまった。
待ってろとは言われたものの、何故部屋を出たのか
僕には謎でその場でポカンとしながら
司が戻ってくるのを待っていた。
案外時間がかかるのかなと思い始めていた頃
リビングの扉は開き司がこっちに来いと手招きをする。
それに呼ばれた僕は司の元へと駆け寄った。
「...なに?」
「ほら、これ」
そう言われて差し出されたのは、学校の制服で
しっかり上下揃いネクタイも付いていた。
「これっ…」
「佑月の制服だ。とは言っても新品じゃなく佑月が以前から使っていたものだがな」
「どうやって…」
「それを聞くのか?ん?」
「や、やめとく!ありがとう!」
制服を手にしたまま司に飛びつき、泣きそうな顔を
見られないよう顔を司の体に押し当て抱きついた。
そんな僕の頭を撫で「ああ」とだけ素っ気ない
返事をする司。
そんなところも大好きなんだ。
「ほら、着せて俺に見せてくれ」
「うんっ!」
そっか、制服姿を司に見せるのは初めてなんだ。
出会った時も部屋着を着て家を飛び出した時だったし
一度戻ってしまった時も変な服を着ていた。
僕の制服姿を見て司はなんて言ってくれるかな?
ちょっとだけ気持ちが高ぶった僕はすぐに
部屋に閉じこもり制服を次々と着こなしていった。
が…ここで1つ問題が起きた。
ネクタイの結び方っ…
「忘れちゃった…」
ああ…一体僕はどこまで馬鹿なんだ…
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