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79〜司side
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「桜庭、早急に準備しろ」
「直ちに」
何故、こうも忙しいのか
最近佑月といると日々思うようになった。
昨日佑月はネクタイが結べなく、自分はやっぱりダメだと卑下していたが、そんな事はない。
実際飲み込みが早い佑月は、すぐに出来るようになったし、今朝も俺のネクタイを結ぶと朝早起きをし、わざわざネクタイを結びにきてくれた。
そんな姿を朝から見せられたら、
本当に可愛くてしょうがない。
だが、たった今その余韻に浸っている時間は無くなった。
やっと分かったのだ。
達川組を裏で手引し、薬の密猟を上手く流すよう仕向けた黒幕とやらが。
いや、正確には達川組を騙し、自分らだけは影で潜み何もしない。そんな汚い手を使う奴らだ。
「それで瑠衣その情報は確かで間違い無いんだな?」
「はい、確実に」
はぁ、佑月の学校の話も進めなければならない時に
これか。全く生きづらい人生だ。
「一度幹部全員を集める、話はそれからだ」
------ドンドンドンッ
「若、失礼致します」
「なんだ、今は会議中だぞ」
「申し訳ございません、しかし緊急を要します」
「なんだ」
「フィークス・ラウが何者かによって襲撃に遭いました」
フィークス・ラウ…
俺たち黒崎組が経営をしているBARの1つだ。
「従業員はどうした」
「全員…気を失って倒れておりました。外傷が酷かったので風見先生の病院へと搬送させて頂きました」
開店前ならば従業員は2〜3名ほど。
だとしたら客は誰一人いない。
客の中に紛れ込んで襲うのではなく
わざわざ渋面突破で…か?
「まさか…若…」
唖然としている桜庭に今導き出せる答えを伝える。
「ああ、このタイミングでという事は確実に彼方も此方の動きを把握しているという事になるな」
「まさかまた内通者が…?」
「いや、それはない。幹部内のそれも一部にしかこの情報は流れていない」
「だとしたら…」
情報は絶対に流れていない
内通者がいるわけでもない
ならば答えは1つ…
「どこかで見張られているな」
考えが甘かった。
もう後に引けないところまで来ているらしい。
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