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80 〜司side
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「見張られているって…」
「はぁ…とりあえず今日は全員帰れ、会議も中止だ」
「帰るって…何故です!?」
「今は動くわけにはいかない。お前らならわかるだろ?」
その言葉に桜庭は下に俯き拳を握りしめていた。
悔しいのだろう。この状況に陥るまで気づけなかった事、ここまで立ててきた計画が全てやり直しになる事を。
「悪いな、桜庭。だが今は辛抱だ」
「いえ…承知しております」
今の状況からして、何もしないが一番最善の策だ。
「安心しろ、このままにしておくつもりはない」
「はい、勿論です」
「なら、今日は解散だ。桜庭、皆にも伝えてくれ」
「わかりました」
そうして俺は部屋を後にした。
部下に車を出させ、家に帰る。
扉を開ければ、元気に俺の胸に飛び込んできた佑月。
「司っ!おかえりなさいっ!」
「ああ、ただいま」
佑月の頭に軽くキスを落とし、手を取ったあと
一緒にリビングへと向かう。
「司なんか疲れた顔してるね?お仕事大変だったの?」
「そんな顔してるか?」
「うーん、疲れたっていうかなんていうか…わかんないけど、なんか暗い!」
佑月には隠し事はできないようだ。
だが、仕事の話はあまりしないようにしている。
佑月を心配させるわけにはいかないし、せっかく前向きに物事を考えられるようになってきたのに、また不安ごとを1つと増やせば、佑月はまた不安定になるだろう。
いや…今は安定しているだけかもしれない。
「そうか、まぁ疲れたのかもな」
「司?」
心配そうに顔を覗き込む佑月に
俺は話をそらすようにして冷蔵庫へ酒を取りに行く
「喉乾いた」
「飲みすぎないでね」
「わかってる」
「僕先にお風呂入ってくるね」
「ん」
そう言って風呂場へと佑月は走って向かっていった
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