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コンビニまで数分…あたりを見渡せば世間は
サラリーマンや学生が活動し始めている頃だった。
僕も学校に行っていれば、今頃は学校の準備をして
登校している時間だろうか?
和気藹々と友達と話しながら投稿している学生たち。
羨ましくないといえば嘘になる。
だけど今の生活が嫌というわけではない。
少し手続きに時間がかかってしまうけど、司の抱えている問題が解決すれば、僕もあんな風になれるかな?
期待と不安…どちらの思いも混ざってしまって
頭が混乱する。
「やめよやめよ…」
佑月は自分の顔を軽く叩き考える事をやめて
コンビニへと向かう。
***
コンビニに着くと色々なものがあってどれにすれば良いか分からなくなる。どれもおいしそうで選べない。
司だったら…?って考えてみると、そもそも司がコンビニにいる事自体おかしな話で、想像すると笑ってしまう。
似合わないったらありゃしない。
そんな事よりも今は自分の朝ごはん。
歩き回って一通り見たものの一番気になった
サンドウィッチが今は食べたいかな。
ラスト1つだったし、早く撮りに行かなくちゃ。
そう思い手を伸ばすと僕よりも数秒早く
別の手がサンドウィッチに伸ばし、引くことに間に合わなかった僕の手はその見知らぬ手と重なってしまった。
「あっ…ごめんなさっ…」
そう咄嗟に出た声に相手とパチリと目が合う。
その瞬間に入ってきた情報量はかなり多い。
金髪の髪に整った顔立ち…顔から下を見ればスーツ姿の彼。普通の人ならホストか何かと間違えるはず。
だけど黒崎組に何度か出入りした僕ならわかる。
懐に小さな膨らみ…銃…かな…。
だとするとこの人は裏社会の人?
そうこう考えているうちに彼は手に取ったサンドウィッチを僕の目の前に持ってくる。
「ああ、これ食べたかったのかな?」
「あ、いえ…」
「遠慮なんかいらない、君に譲るよ」
「あっ…ありがとっ…ございます」
渡されたサンドウィッチを受け取ろうとするが
手が震えて受け取ることができない。
どうしよう…いろんなことが頭の中を駆け巡り
彼の話に集中できない…
怖い…
「君さっきから顔色悪いな、大丈夫?」
「…っ」
まずい…声が出ない…
早く立ち去りたいのに足も動かない。
「ちょっとトイレに行こうか?」
不敵な笑みを浮かべた彼はサンドウィッチを
元あった場所に戻し僕の手を引いてトイレまで連れて行った。
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