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早くっ帰らなきゃ…
あの人の気が変わって追いかけてきたらっ…
怖い…怖い…怖い…
佑月は必死にきた道を走り家のある方へと向かう。
しかし、最近はあまり運動をしていないせいか、すぐに息が切れてしまう。たったこの距離で疲れてしまうほど、自分は惨めな姿になっていたのかと思うと、あまりに情けない。
「はっっ…ふっ…はっ…」
もう限界…そう思った時だった。
前をあまりよくみていなかった佑月は勢いよく人にぶつかり転んでしまった。
「うっ…す、すいませっ…」
「…佑月くん?」
聞き覚えのある声に僕はぶつかった相手を見上げる。
そこには優さんが汗をかいた姿で驚いた顔で僕見ていた。
「優さんっ…!うう…」
見知った顔を見て安心した佑月は山城さんにしがみつき、そのままズルズルと地面に座り込む。
安心したせいか涙が止まらない。
「佑月くん良かった、若に電気するから少し待ってください」
そう言うと直ぐに優さんは司に電話をかける。
「若、佑月くん見つかりました。ええ、それは分からないっすけど…はい…はい…分かりました。今そちらにお連れいたします」
電話が終わった優さんは僕に向かって「立てますか?」と手を差し伸べてくれる。それになんとか掴まり家まで、ゆっくりではあったが、少しずつ向かっていった。
その間に考えてしまう。
銃…を握ってしまった罪悪感。
拒絶すらせずに、すんなりと受け入れてしまった自分がいたこと。こんなに僕は変わってしまったのかと頭で何度も考えた。
そうこうしているうちに家の前までついた僕は
ふと先を見る。そこには険悪な顔で腕を組みながら待っている司がいた。
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