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プロローグ
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【マダム・シトラス】
「強運だね。
きっと、幸せな未来が待ってる」
【緑】
「え、ほんとですか!?」
【マダム・シトラス】
「ま、信じるか信じないかは君次第。
けどどちらかというと君は待たせてるタイプ」
「君が気づかないだけで、想いを寄せてる人はゴロゴロいる」
【緑】
「……」
予想外の展開に俺は呆気にとられる。
【マダム・シトラス】
「けど、愛されてるからといって騙されてはダメ」
「君、もしかして騙されやすいタイプ?」
【緑】
「はい、信じやすいし……騙されやすいです」
(凄い……当たってる)
それもかなり正確に。
俺は昔からお人好しで、騙されたことなど何回もあるのだ。
【マダム・シトラス】
「そっか、なら答えはひとつ」
マダムはテーブルの上にひとつの石を置く。
天然石に近い。
黄色とオレンジ色の中間色で半透明。
純粋に綺麗だと思う。
そして真剣な声で、こう告げるのだ。
【マダム・シトラス】
「愛されてるんだから愛している人を見つけること。
これが君が恋愛を始められるたった一人の方法」
「占いは、その後押しするアドバイスと思って。
騙されやすい君はちゃんと一人に絞るんだ」
【緑】
「騙されるんですか……?俺……」
【マダム・シトラス】
「うん。
出会う人の内ほぼ全員は君を愛していながら騙す」
【緑】
「その……見分けるにはどうすれば……」
急に不安になり目を伏せる。
そんな俺の気持ちを理解するかのように、
マダムはもう一言告げる。
【マダム・シトラス】
「安心して。
君を本当に愛している【最愛の人】は、たった一人いる」
「それも君がよく関わる人だ」
「けどバーテンダーは人とよく関わる仕事。
見分けられないのなら自分から知ればいい」
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