アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
プロローグ2 後輩・真田伊吹
-
きっと原因は俺にだって分かってる。
ポケットの中に入っている石に軽く触れる。
俺が唯一変わったこと。
この石を持ち歩き始めた。
それ以外で心の声が読めるようになったのはきっと……無いだろう。
まさか世の中にこんな特別な石があるなんて……。
──……そんな貴重な物をどうしてマダムは……?
それとも結構出回ったりしている物なのか?
【緑】
(……でもこの石があることで無益なことはない)
むしろ、ラッキーなことだ。
しばらくはこの力を持て余すか……。
*
【伊吹】
「……先輩、眠そうですね」
【緑】
「そうか?」
【伊吹】
「はい。めちゃくちゃ」
AM 2:00 仕事終了。
伊吹と俺だけがロッカールームに残り、
制服から私服に着替える。
しばらく雑談をしていると、
ふと伊吹がいつもとは違う表情を見せた。
【伊吹】
「先輩ってすごいですよね」
【緑】
「ん?」
【伊吹】
「僕例えバーテンダーとして一人前になっても、
先輩に敵う自信なんてないです……」
「ほんと、先輩って、何でできてるんですか?」
伊吹が弱気になるのは、かなり珍しい。
俺はくすっと笑いながら冗談めかしてこう言った。
【緑】
「さあな。
でも仕事人間ってのもあるかな~」
「恋人もいないし。
仕事してるのが一番楽しいわけよ」
まあ、これはほんとの話。
バーテンダーを初めて色んな人と関われるのは、
めちゃくちゃ楽しい。
おまけにサイドメニューの余りのまかないも美味しい。
食材はホテルのレストランからそのまま持ってきたやつだし。
ラッキーな職場についたなって改めて思う。
【伊吹】
「へぇー……先輩恋人いないんですか……」
しかし伊吹が食いついてきたのは別の所。
なぜか伊吹は安堵したような表情を見せる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
10 / 26