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プロローグ2 幼馴染み・麻生凌馬
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*
【凌馬】
「……で、それがこの石と」
【緑】
「うん」
ことの始まりは昨日の電話。
俺の休みの日を知っていた凌馬に、遊びに行こうと誘われたのだ。
しかし俺が相談に乗ってほしいと言ったら家に変更になった。
昼ごはんも作ってくれるとか……神かよ。
……まあ、凌馬とはおとなりさんだから下手すれば毎日会えるけどね。
大好きな幼馴染み。
──麻生凌馬とは、親同士が親友で小さい頃からずっといた。
大学までずっと一緒だった、腐れ縁を越えた仲。
こうして今でも相談に乗ってくれることがすっごく嬉しい。
信頼を形にした感じの人間。
頼りになるし、優しい。
モテる要素たっぷりなのに彼女作らないのが不思議だ。
【凌馬】
「お前落としてないよな?」
【緑】
「ないない、絶対に無い」
【凌馬】
「んー…石自体が柔らかいかもしれない」
【緑】
「そっかぁ……」
やっぱり謝るのが一番いいかな……。
凌馬にお礼を言い、息抜きに暖かいコーヒーを飲む。
【凌馬】
「よくコーヒー飲めるよなぁ~。……苦くね?」
【緑】
「この苦さがいいんです」
【凌馬】
「緑のことはなんでも分かるけどこれだけはわかんねーな。
俺はやっぱりコーラ!」
凌馬の親がシェフということもあり、
話す話題は食べ物系が多い。
この間ご飯抜いて働いた時に凌馬が来てそれこそやばかった。
お腹が鳴ったら心配して他の同期も驚いてたっけ。
『緑の幼馴染みは過保護過ぎ』だって。
でも意外に凌馬に心配されるって嬉しいんだよね。
やっぱり離れたくないってのがあって、
『あ、俺のこと気にしてくれてるんだ』ってそう感じて。
……ずっと一緒にいたから他の人と仲良くしてると、
ちょっとだけ妬いちゃう。
俺ってダメだな。
これじゃあ凌馬を束縛してるみたいだ。
【凌馬】
「今度あそこ行こうぜ。
新しく出来たショッピングモール」
【緑】
「行きたい!」
【凌馬】
「よっしゃ、決まり。
じゃあ次の祝日な」
……もう26年も一緒にいるのか。
長くて、短いな。
世話になってるし俺も凌馬に何かを返せたらいいのだけれど。
何にも思い付かない。
凌馬のこと知ってるけど、知らない。
【緑】
「……」
まあ、これは単なる好奇心。
ちょっとだけいいよな……心の中読んじゃっても。
【緑】
(凌馬ごめん!なんか奢るから!)
耳を澄まし、声を聞くことに集中する。
心の声を聞くのはコントロールができることを実は俺は知ったのだ。
【凌馬】
「(出掛ける……か。
またいつもみたいにはしゃぐんだろうな)」
「(ゲーセンでコインゲームすっか)」
あれ、これは……普通というか。
いや伊吹とオーナーが違ってただけでこれは正常なんだ、うん。
別に凌馬の恋愛感情確かめてた訳じゃないし、でもこれはこれで……。
なんかちょっと、残念。
デートとか…まあ俺のことが好きだとそう言うから。
言ってほしくは……無いけど。
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