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プロローグ2 覚めない夢
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*
【?】
「佐伯くん……あの、一緒に帰ってもいい?」
【緑】
「いいよ!俺**くんとずっと話したかったし!」
【?】
「……ほ、ほんとに?……ありがとう」
夢、きっとこれは覚めない夢。
覚めない夢はすなわち【記憶】。
でも俺はこの記憶が分からない。
けど服装からして、小学生くらいな気がする。
【?】
「佐伯くん、助けてくれてありがとう」
【緑】
「**くんが無事なら、俺はそれでいいよ」
【?】
「……俺、もっと強くなるから。
強くなって、佐伯くんのこと守るから」
目の前に立つ彼の顔は、うまくぼやけてて分からない。
俺の知らない人。
知らないからこそ、目覚めたくない。
だって、知りたいから。
【?】
「****石って知ってる?」
【緑】
「?……なにそれ?」
【?】
「心の声が聞こえる伝説の石!」
これはお伽噺でもなんでもない、
【?】
「そんなのがこの世にあるって、
不思議だと思わない?」
俺が体験した、人生の一部なのだから───……。
【緑】
「……欲しいな、その石」
*
【緑】
「……ん」
【凌馬】
「はー、やっと目覚めたか。
ほら、約束の6時だぞ」
【緑】
「あ、……ありがと」
目覚めると、俺はベッドの上にいた。
きっと凌馬が運んでくれたのだろう。
いつも凌馬の肩で眠りに落ちると、ベッドまで運んでくれるのだ。
【緑】
「……凌馬」
【凌馬】
「どうした?」
怖くはない。
だけど大切な何かを忘れているような気がする。
やけにリアルな夢を見た。
あの人はいつまでも側にいて、変わらず俺を守ってくれていた。
好きだった。
それなのに、顔も名前も、思い出せない……。
【緑】
「よくわかんないけど……わかんない」
【凌馬】
「いきなりなんだよ、それ」
【緑】
「……」
凌馬は、俺の手をぎゅっと握っている。
いつの間にかされていた行為に、俺は凌馬をじっと見つめる。
今、無性に心の声が聞きたい。
夢がなぜかそれを、引き起こした。
心の声を聞くことに、集中する。
【凌馬】
「(……緑が他の奴のところへ行くなんて)」
「(嫌だ。……俺のものにしたい、ずっと一緒にいてそれだけは叶わない)」
「(告白した奴が憎い。俺とお前は幼馴染みでもしかしたらもう二度と)」
「(会えなくなるかもしれないのに……ごめん、好き)」
俺の中ですっぽりと抜けていた何かがある。
記憶とそれから……。
【?】
『……俺に依存されるの、好き?』
被虐心と、依存されたい願望。
【緑】
(思い出した……)
なんでそれが自分の中で抜けていたのか分からない。
けど、多分きっと思い出せる……。
伊吹にキスをされて、もっとしてほしくなったのは欠けていた被虐心。
オーナーに最後ねだったのは依存心を図るため。
思いだし始めている。
まだ、まだまだ覚めない夢はある。
───……俺には、忘れていることがある。
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