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連絡
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ピロン
スマホの通知でふっと思考から引き戻される。
また、兄さんかな。通知を切っておけばよかったと思いながらも、気づけば確認せずにはいられなくてそっとスマホを手に取った。
『アキ、体調大丈夫?』
『僕の服つかっていいよー』
『ノート取っておいたから元気になったら渡すよー』
間隔があいて入っていたのは有紀からの連絡だった。時間設定で通知を切っていたからか、最初の方のものは気づいていなかった。
有紀の服は僕には小さいと思うんだけど。
服を貸すよ!と言ってくれる二人とも僕と体のサイズが全然違う。それでもそのやさしさに胸がふわっとなる。
「どうした?」
また兄さんからの連絡かと思ったのか、先生が心配そうにこちらを見ている。
「あ、友達からです」
「ああ白樺?」
ともだち、とかいうと先生はすぐに有紀を思い浮かべるらしい。
事実だけどなんで有紀限定なんだろう。
「お前が寝てる間に白樺一回来てるし」
「へ?」
全然気づかなかった。
わざわざ、様子を見に来てくれたのだろうか。
「どうしよう…」
申し訳ないことをしてしまった。ただでさえ心配させてしまったのに…
なんて返事をしようかじーっとスマホを見つめる。
「だいじょうぶだよ、ありがと」
それだけ打って一度深呼吸してから送信する。
「シュウの打ち方リスみたい」
「…りすは携帯持ってないです」
先生にこたえつつもじーっとスマホを見る。
既読がすぐについてびくっとなった。やっぱり待たせてたんだ…
先生がそっとソファを離れる。
返信が怖くてドキドキしながらスマホから目を離せない。
ピロン
『大丈夫!!!成長貯金のだからアキ入るよ!!』
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