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*ある女の嘆き
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「お母さーん、スマホ鳴ってるー」
わざわざ持ってきてくれたのがおかしくて、笑いながら頭を撫でる。
「ありがとう」
「どーいたしましてー」
上機嫌にスリープモードを解除すると、そこには信じられない文字が踊っていた。
嘘。
あの子が元を傷つけたの?
なんで?
だって、ずっと、何年も何年も仲良くやってたじゃない。
部屋を移るってどういうことよ?周りには良い人がたくさんいるなんて知ってる。でも最後に世話をしてくれるのは秋なのに。
小学生の時から、最後の最後に頼りになるのは秋だったのに。お友達だって、元のすべてを見守れるわけじゃないのに。
「嘘よ……だって大丈夫って言ってたじゃない…」
『お母さん、僕大丈夫だから。
兄さんのこと、ちゃんと守るから』
穏やかに笑う秋に、心から安堵した。
秋に恋人がいた!と慌てて連絡してきた元には驚いたけれど、それでも2人して元と一緒にいることを知って、何があっても秋は一緒にいるんだと思った。
「何が、悪かったのかしら」
そうだ、秋が一度でも元から離れたから距離ができたんだ。もう一度……
ああ、でも、元が秋を嫌がったらどうしよう。
そうしたら、秋が近くにいたら負担になってしまう。
「なら、いっそ近寄らなければ良いものを」
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