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「アキ!ご飯食べよ?」
「ごめん、用事あるから…」
そう断ると、有紀がわかりやすく落ち込む。罪悪感を覚えつつも急いで席を立つ。
この数日、こんなことを繰り返している。
『あっ…やめ…んぅ…』
なまめかしい声。
虫唾が走る。
「どうしたの?もっとよく見なよ」
「こういうの好きなんだろ?」
あからさまに侮蔑した視線で僕に投げかけるのは、先輩と同級生。なかなか減らない厳しい視線に調子に乗った人たちは、僕を呼び出すようになった。
殴る度胸とか、レイプをするほどのつもりはないみたいで。
毎回、同性異性を問わないAVの動画を見せて幼稚な嬲り方をするのが好きなようだった。
『あっ…おにいちゃ…ひぅっ』
動画の中で喘ぐ弟役にぎゅっと眉根を寄せる。
持ってくるのは近親相姦のAVやいわゆる寝取りもの。
あさましく快感を手繰る獣じみた登場人物に誰かを重ねることもない。ただ、気色が悪い。
それでも、ここに来ることをやめられなかった。
兄さんは、潔癖なところのある人だった。
ここで僕を貶めようとしている人たちは、別に正義感をこじらせているわけではない。ただ、いじめてもいい人間が見つかったから遊んでいるんだ。
たぶん、彼らを突っぱねれば、次のおもちゃを探す。そのときに標的になるのはきっと、潔癖で、人から悪意を向けられることに慣れていない兄さんたちだ。
いい子ぶりたいわけでもない。
今更気に掛けてもいい立場だと思ってるわけでもない。
ただ、それは嫌だった。
「ほら、ちゃんと見ろよ」
エスカレートしない限り、この一日のわずかな時間を削るのは構わない。
どうせ、何の予定もないんだから。
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