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不良5
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「あ、おかえりー」
教室に戻ると有紀がお弁当を頬張っていた。…リスみたいで可愛い。
「ただいま」
向かいの席に座ると有紀がじーっとこちらをみていた。首を傾げて見せると、困ったように笑われる。
「アキ、大丈夫だった?」
「なにが?」
「…先輩とか」
時計を見るとここ最近の戻ってくる時間よりも大分早い。それも気になってるのかな。
「うん」
「ほんとにー?」
「本当…なんかね、途中で赤城って子が間に入ってくれて」
「赤城っ!?」
有紀が目を丸くする。
赤城はやっぱり有名人…なのかな。
「赤城ってあの赤城?」
「うん…多分。不良っぽかった」
「うわー…え、間に入って助けるタイプじゃないでしょ…」
「あー…なんか……運が良かった?みたい」
流石に好きな人云々のくだりは吹聴しないほうがいいよね。
曖昧な言い方にあまり納得はしてないみたいだけど有紀はしぶしぶ頷いた。
「なら、いいけど…」
「ん、心配ありがと」
「無茶しないでね?」
見すかすようなことを言われて少しどきっとする。有紀にはなにが行われてるか本当は知られてるんだろう。
適度に見守ってくれるなんて、有紀って本当に同級生なのかな…
「無茶してたらせんせーに言っとく」
「…やめてよ」
こないだの一件以来先生との距離の取り方がうまく分からない。元々上手く行く気もなかったけど…
「早川先生、相当アキのこと気にしてるよ」
それは分かってるんだけど…
「なんか、変にストレスの種になってて申し訳ないなあ…」
ポツリと呟いて自分で傷つく。
一度赤城に助けてもらったからって、課題は山積みだった。
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