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ひとごと2
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「篠原、そこに座ってくれ」
山田先生に促されて前の席に座る。
二者面談、と聞いていたんだけどそこには校長もいた。
「さて…面談始めようか」
山田先生は少し疲れた顔をしていた。
先生たちも対応に追われてるんだろう。
「最初に、私からいいかな」
校長が口を開いた。
「多分、秋くんもわかってると思う。
……本当に申し訳ない」
わざわざ立って深々と頭を下げられる。驚いて固まってしまう。
「君のお兄さんを傷つけてしまった。
そして、君が傷ついているのを助けられなかった」
「え…」
「…噂は、聞いてたよ」
その言葉に頭が真っ白になる。
「でも、見守ろうと思ってた。
見守ることが大人の役目だと。そうやって、君たちをここまで傷つけた」
「そんなこと……僕が、黙ってたから…」
震える声でそう呟く。
「…嫌なことを、嫌だと言える環境を整えるのが私たちの役割だ。
教えてくれないか、
君たちに何があったのか」
震える手を押さえつけて、そっと頷いた。
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