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仕事 弐
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「なんか、お前って彼女出来たらずっとベッタリしてそうだな」
『・・・・・・うん、まぁ、そーかもね』
なんとなくできいたのだが、何故か間があり、そのうえ声音も低くなっていた。
もしかしたら恋愛関連のことでなにかあったのか?、と奏は心配にはなったが、それを言葉にはしなかった。
きっと知られたら悲しむ事なのだから、余計に哀しませたくはないからだ。
『というか、進行状況はどう?』
急に坂口の声音が高くなった。
心配されたくないという思いがバレバレで、奏は思わず笑ってしまった。
一応口元を抑えてはいたのだが、漏れたのかわかってしまったらしい。
『むー、なんだよぉ!プンプン!』
坂口の柄ではないのだが、これはこれで面白い反応だった。
今度はマイクから離れて笑った。
「何でもないよ、こっちの話」
『ん、そっか』
坂口の思ってることがバレバレだとわかってしまったら、なんとなく照れて無口になってしまいそうなので、他の口実を付けた。
ごまかせているかどうか心配していたが、案外坂口は騙されやすいようだ。
「あ、状況的には終わった、よ?」
奏は、笑顔のまま目の前にある汚物を眺める。
グチャグチャになった体の一部があちこちに飛散し、そこ一面を真っ赤に染め上げていた。
「なんか、あれみたい、レッドカーペット。
真っ赤っかで」
『お前レッドカーペットに失礼だぞ』
もう、奏は死体を見たって笑えるくらいになった。
そして坂口も血筋なのか、笑いあえるようになった。
「これ埋めといた方がいい?」
『いや、持って帰れる分だけでいいから、持ち帰ってくれ』
__持ち帰れる分、ね。
目の前に散乱するものは、ほとんどがグチャグチャになっていた。
痛々しいくらいに真っ赤で、これが昨日まで生きていた生物とはとても思えない。
一つの飛び出た目玉が、こちらを不気味に見つめていた。
その時、急に強風が吹いてきた。
血の香りがこちらに襲いかかるように吹いてきて、思わず顔をふせた。
風が吹き終わり、辺りはシィ・・・ンと静まり返っていた。
『どうした?』
「ん?__い、いいやなんでも?」
そういえば返答を忘れていたので、奏は慌てて答えた。
ちょっとかんだので恥ずかしくなった。
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