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朝起きると、既に花弁から出されて、ベットの上に寝ていた。
「ん……あれ? 気持ち悪くねぇ」
起き上がった俺は、首をかしげた。何故か体調不良が治っていたのだ。こっちの世界に来てからずっと感じてた気だる感は無くなっていたし、起きても視界は回らない。寧ろこの世界に来てから1番の快調だ。久々に、熟睡したからか?
横を向くと、人間姿の化け物が、丁度スーツを着終わった所だった。うん。ムカつくほど様になってやがる。
「起きたか」
「おはよう」
「寝起きの挨拶か? 人間はマメに挨拶をすると聞いていたが、その通りなのだな」
「なら、お前達は挨拶しないのかよ」
なんと薄情な。
「挨拶のことを聞いたのか? 俺達の挨拶は基本これだ」
その言葉と共に、腕へ触手が巻き付いてきた。握手のつもりか。
「分かったから離せ」
気持ち悪さにぶんぶんと腕を振ったら、余計絡まれた。それを剥がそうと暴れると、さらに巻き付かれる。
「はーなーせー!!!!」
とまぁ、そんな事を繰り返した結果。
「……」
腕の肌が見えないほど、みっちりと触手に巻き付かれた。流石にこれには、俺も無言になってしまう。
なんなんだこれ。新手のいじめか?
暴れても事態が悪化するだけと分かった俺は、動くのをやめる。なんか、変に疲れた。
「もう暴れねぇから、いい加減離れろ」
そんな意味も込めて睨みつけながら化け物を見上げた俺は、軽く目を見開いた。化け物は困惑しているような表情をしていたのだ。なぜお前が困っとる。
「すまない。何故か動かれると、余計に絡めたくなるんだ。人間の肌は巻き付きやすいからか?」
「……は?」
「そんな顔するな、俺自身もよく分かってない。が、どうやら、反射みたいなものらしい」
ちょい待て。という事は、俺が触手対処法として散々やってた事は逆効果だったってことか? 確かに、ジークも暴れると余計巻き付いてきたが、俺を抑えるためにやってるのかと思っていた。
まさか、本能からくるものだったとは。
「嘘だろ、おい」
なんとも言えない脱力感に襲われ、思わず項垂れる。それを体調がまだ悪いと勘違いした化け物が、少し慌てていた。
「まだ、体調が悪いのか?」
言葉で言っても伝わらないので、否定を込めて首を横に振る。そうすると、見るからに安心したような表情をするから、少し笑ってしまった。
こいつ、無表情なのかと思ってたら、案外表情に出やすいタイプなのかもしれねぇ。
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