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④
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俺の最終目的は、元の世界に帰ること。その為に利用することはあっても、化け物と仲良くなる努力などする必要は無い。
それに、仲良くなればなるほど、別れが辛くなるだけだ。離れると分かっている場所で、そんな枷になるものを俺は作りたくない。
「そういえば、社長。この子の名前はなんて言うんですか?」
「名前?」
「名前ないと不便じゃないですか」
「クロで良いだろ」
化け物の言葉に、俺はムスッとしてしまった。黒髪だから、クロってか。そんな適当に名前つけんな。噛み付くぞ。
「滅茶苦茶嫌そうな顔してますけど」
「なら何がいい」
そんな事を化け物は聞いてきたが、お前ら俺の言葉分かんないじゃないか。この状況でどう説明しろって言うんだよ。
けど、話すのではなく、今俺が伝えるのは名前だ。外国人との会話が出来なくても、名前だけは通じるなんて事はよくあるし。駄目元で言ってみるものありか。
「透琉、俺の名前は透琉だ」
「……」
「と、お、る」
「トールと言っているのか?」
俺は目を見開く。まさか、通じるとは思ってもみなかった。まぁニュアンスとか、伸ばし方とかは、ちょっと違うが、友達にその渾名で呼ばれた事があるせいか、違和感はない。それに、言葉が伝わらない相手がそこまで聞き取れれば上出来だろ。
だから頷いたら、アミラにめっちゃはしゃがれた。
「すごい社長! 人間の言葉聞き取れるのですか!?」
「いや、なんとなく、そう言ってるような気がした」
「なんとなくでもすごいです! じゃ、この子はトール君ですね!」
「自分でもそう言ってるから、それでいいだろう」
適当だな。おい。けど、クロよりは100倍マシだ。
「改めて、トール君よろしくね!」
「分かったから、抱きつくな! 触手巻き付けるな!!」
なんでこいつら、こんなにもスキンシップ激しいんだよ!
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