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黒髪ちゃんの飼育員になって1週間が経った。その間にも、黒髪ちゃんったら、何度も何度も逃げようとして俺に捕まっていた。
「 !」
「はいはい。お部屋に戻ろうねー」
探して、捕まえて、口に触手を入れて、噛まれて、体液飲まして、お部屋に戻す。このローテションができつつある気がするのは、俺の気のせいじゃないだろーな。
最近はわざと隙を見せて、それを捕まえるなんて芸当が出来るようになってきた。俺って実は頭脳派なのかな!
「黒髪ちゃーん。いーますかー?」
黒髪ちゃんの部屋を覗くと、ベットがこんもりしてた。この前、実はベッドの盛り上がりは身代わりでってことがあって、結構遠くまで逃げられたんだよねー。
ほんと、なんでこんなにも逃走方法が浮かぶのやら。そろそろ諦めてくれないかなー。
「黒髪ちゃん、同じ手にはーー」
布団を捲りながら発した言葉は途中で途切れる。
黒髪ちゃんは、ベットの上にいた。荒い息と潤んだ瞳でこっちを見て。明らかに様子がおかしい。
「ちょっとごめんねー」
「……」
触手で肌を触ろうとすると、振り払おうと腕が動くけど、力は全くない。遠慮なく触らしてもらう。……うん。これは。
「熱あるね」
環境の変化のせいなのか、召喚した人間の中にたまにこうなる子いるんだよね。人間用の熱冷まし飲ませて、額を冷やし暖かくしてれば、数日で治ることは分かってるけど。
「今日から5日間。お店休日なんだけど」
一応、年末年始だからね。しかも、今日は俺担当だけど、明日から2日間は、ルンファク。
絶対にきちんとした看病できないよねー。
「とりあえず、てんちょーに事情して、俺も出れるよーにしてもらうかね」
予定は全部キャンセルだなー。まっ、休日空けて店きたら、黒髪ちゃん死んでましたー。の方が嫌だからね。
「今、薬と冷たいタオル持ってくるから、大人しくしててね」
実家に帰ったてんちょーに、休日出勤の許可証を送り、薬とタオルを持って部屋に戻ると、ふらふらの体で牢屋から出ようとしている黒髪ちゃんがいた。
あ、病気だし、急いでたから、鍵閉めるの忘れてた。
「こーら! 病人は、ベットにいなさい」
「 」
いつもみたいな覇気はないけど、否定っぽいニュアンスの音が聞こえたから、無理矢理触手でベットに戻して、薬と一緒に体液を飲ます。
あれ? 同時に飲ませて大丈夫だったかなー。
「大人しくなったから、大丈夫かな」
タオルを額に置いたら、苦しそうな顔が少し緩んだ。これで1度様子見かな。
「といっても、また逃げられると困るなー」
緊急事態だし、誰か呼ぼうかな。
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