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「ど、どうしたのトール君!?」
『いや、ちょっと変なのが……』
「変なの?」
「ちょっと、酷いよー黒髪ちゃん! せっかく会いに来たのにー!」
「寄るな触るな巻き付くな変態飼育員!!!!」
「うーん! 相変わらず触り心地抜群だね。いや、寧ろ良くなった? もしかして、俺のために肌磨きしてくれたの! もう、可愛いんだから!」
「俺は不愉快感で吐きそうだ!」
頬擦り付きで抱き締めてくるジークに、足蹴りをくらわし、巻き付いてくる触手に噛み付く。物理は無駄と分かっていても、手や足が出るのはもう反射と言っても過言ではないだろう。
「はーなーせー!」
「いーやー」
「あの……えっと……」
「アミラじゃん! 久し振り!」
「……なんでここにいるの?」
「うわ、冷たいなー。俺、黒髪ちゃんの召喚者兼元飼育員だよ!」
「うそ! そうなの!?」
「変態飼育員の間違いだろ! いい加減、離せー!」
「もう、黒髪ちゃん連れないな」
「お前に愛想振りまく程、無駄なことはねぇ! ちょっ、どこ触ってんだ! やめろ!」
誰かこの変質者を俺から剥がしてくれ!
「ジーク。そろそろトール君離してやって」
「えー。まだ触り足りないんだけど」
「頼むから。そろそろ社長がキレる」
「……あ」
ジークは化け物を見て、ぽとりと俺を離す。その顔からは、若干血の気が引いてる。ジークがいるせいで、背後の化け物は見えねぇが、何か変な事でもあったのか?
「おい、どうしーー」
ちょっと心配になって、ジークに手を伸ばそうとした瞬間、すごい速さで触手が腹に巻きついたと思ったら、俺の体は化け物の腕の中に収まっていた。
上を見上げると、不機嫌オーラを出しながらも、御満悦な化け物の顔がありました。こいつにとっては、お気に入りの玩具をベタベタと他人に触られた気分なのか。
「ジーク。俺の許可無しにこれへ無闇やたら触るな」
「はーい。ごめんなさーい」
ジークが触っていた所を化け物の触手が、まるで上書きでもするかのように撫で摩り始める。
「んっ!」
「気持ちのいいか?」
「ちが……っ!」
触手が肌の上を擦る度、びくっと体が反射的に跳ねる。ほぼ毎日といっていいほど、化け物の触手に精液を搾り取られてるせいか、体液無しでも、こいつの触手が肌を撫でると、変な快感が走るようになっちまった。
そういや、最近気付いたのだが、どうやらこいつらの使う触手は指紋みたいに、個々で色だけじゃなく、感触も違ったりする。ちなみに、ジークは水風船のようなブニブニ。アミラはバランスボールみたいなポヨポヨ。セルフィは、こんにゃくのようなプルプル。化け物はマシュマロのようなプニプニだ。俺は1番、化け物の触手の感触が好きだったりする。
まぁ、体液を纏ってる時は、どれも同じようにヌメヌメで気持ち悪いけどな。
暴れると余計巻き付かれて変な気分になりそうなんで、大人しくしてると、化け物の横からひょっこりと知らない奴が顔を覗かせる。
年は、化け物と一緒くらいだろう。緩くパーマをかけたような赤茶色の髪と朱色の瞳。どことなくジークに似ている顔立ちだ。その顔には、申し訳なさそうな表情が浮かんでいる。
「弟がごめんねー黒髪くん。俺、君の主人の友人のフリークス。よろしくねー」
『トール、よろしく』
魔石にそう書いて見せると、フリークスは目を剥いて俺の書いた文字を凝視していた。そう言えば、屋敷以外の奴と筆談するの初めてだな。
「なにこの子、筆談できるの!?」
「ある程度のならな」
「なんでこの前教えてくれなかったの!? これ大発見だよ! トールくんだっけ? どうやってこっちの世界の言葉覚えたの? 他にもなにかできるの?」
「うお!」
ガシっと肩を掴まれ、俺は思わず引いてしまった。目はキラキラしてるけど、迫り過ぎてまじでこぇ。あと、お願いだから、質問攻めはやめてくれ。そんなにたくさん質問を言われても答えきれねぇ。
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