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検査結果
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「じゃ、この話はおしまい! えっと、トールちゃんの体調チェックするんだっけ? 兄さん」
「そうそう。くまなく診てやってよ」
「でーは、手取り足取り腰取り全身くまなく検査しよっか。おにーさん。トールちゃんを貸してくださーい!」
「……仕方ないな」
「嫌だぁ! 離せ変態!!!! 」
化け物からジークの手に渡った瞬間、バタバタと暴れるとそのまま椅子にがっしりと固定されてしまった。くそ、動けねぇ。
「怖かったら、さっきみたいに、触手キュってしてもいいよー」
「触手引きちぎるぞおい」
「待って待って痛い痛い! トールちゃん乱暴だけはやめてー!」
餅の要領でジークの触手を思い切り引っ張ると、思わぬ反撃に悲鳴をあげていた。ざまぁみろ。もっと引っ張ってやる。
これも最近知ったんだが、触手は引っ張るという物理だけは効くらしい。正直、抓ってるくらいのダメージしか与えられねぇが、普通の物理が効かないこいつらにとって、これがまた結構痛いらしい。
びよーんと遠慮なく触手を引っ張る俺と、涙目のジークに呆れたような表情をしながら、化け物が口を開く。
「ジーク、まともに仕事しろ。お前もいい加減止めないと今ここで白いの搾り取るぞ」
それは勘弁。ぱっと手を離すと、まだ痛むのか、引っ張られた箇所の触手を撫でてるジークがいた。思った以上に痛かったのか。ちょっと悪かったな。ま、店にいた時に色々とやられた腹いせは出来たから良しとしよう。
「それじゃ、よいしょっと」
ジークは、少し大きめのカバンを机の上で開いた。中に入っていたのは、検査の時に使ってた器具。あんまりいい思い出はないヤツらばっかりだ。
「じゃ、まずは血液から」
化け物がいるせいか、真面目に検査を終えていくジーク。いつもこんな感じなら尊敬に値するんだけどな。
・・・
・・
・
「検査結果出たよー」
「どうだ結果は」
「うーん。至って健康体。魔力も平常値だし、血液も異常もなし。肌や髪も健康そのもの。寧ろ、店にいたよりも良くなってる。体重も平均値。虫歯もなし。五感も全て異常なし。兄さんが心配することは何1つないよ」
さらっとジークから言われた結果に、呆然としていたのは、まさかのフリークスだった。その顔から若干血の気が引いてるのは気のせいではないだろう。
「嘘だろ……おい」
『なにか、変なことでもあったのか?』
「いや、なんというか。無い方が異常というか」
フリークスの煮え切らねぇ返事に、俺は訝しげに首を傾げた。健康が異常ってどういう事だよ。
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