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「兄さんは、トールちゃんがおにーさんの花弁の中で寝てた事を心配してるの」
「社長の花弁の中で寝てたぁ!? な、なんて自殺行為をしてるの!? トール君!!」
「は? 自殺行為?」
そういえば、ここ三日は花弁の中で寝てないな、なんて悠長な事を考えてたら、血相を変えたアミラにめっちゃ揺さぶれた。
「ちょっ、落ち着けアミラ!」
「落ち着いていられるか!」
「め、目が回る!!!!」
と言うか、アミラ口調変わってんだけど! なに? 俺そんなに変なことしてたのか!?
「トールちゃんは知らないみたいだけど、触手族って、自分以外のモノへ自分の中にある魔力を与えられる特殊な体質の種族なーんだ。そんな一族の中でも、おにーさんは同族からも恐れられる程、莫大な魔力の持ち主なの」
あー。だからアミラは化け物が装飾品を外した時、怯えてたのか。けど、それと俺の健康が結びつかねぇ。
「魔力ってね、人それぞれ許容量があるんだけど、それを越えるほどの供給が外部からあると、体の中で溢れた魔力が爆発を起こして、内側から持ち主を壊しにかかるんだよ。
だけど、触手族は、魔力貯蔵が多ければ多い者程、無差別に近くにいる者へ魔力供給をしちゃう厄介な体質も併せ持ってるわけ。そういう同族が多いのと、使い勝手がいいって理由で、普段は周りの人が魔力供給過多で暴走起こさないように、魔力が抑制できる人間の姿でいるんだー」
なんでこいつら人間に化けてんだろうとは思ってたが、そんな理由だったとは。公共語でその事が書かれてなかったってことは、あのミミズ文字の所に書いてあったんだろう。くそ、やっぱりそれぞれの特徴が分かんねぇってやりずれー。
これから覚えるか? いや、でも無理があるような気がする。あれらの文字は、俺の理解範疇を越えてるとしか思えねぇ。
「ちなみに、触手族の1番強く魔力を供給できる場所がコア、花弁の中心にある宝石みたいなもので、2番目が触手なんだ」
……ん? って、ことは。
「魔力制御をかけてない社長の魔力を1番多く供給される場所で寝るなんて、ずっと魔力供給限界を越えるか越えないかの瀬戸際を綱渡りしてるようなものなんだよ! トール君は、いつ魔力暴走を起こして死んでもおかしくない状況だったんだよ!」
ジークの長い説明を焦れったく思ったのか、アミラが横槍を入れて、一番欲しい情報をくれた。
それって、つまり。
『お前、俺を殺す気だったの?』
全部ひっくるめれば、こういう事だろ?
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