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キスマーク
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「…………」
とある日。俺は、げんなりとした表情を浮かべていた。
目の前には、20代位の男。特徴的な髪型をした髪は藤色。瞳は唐草色。顔はほかの奴同様、美形。服装は歴史教科書に載ってそうな中世ヨーロッパの貴族のような感じだ。そいつは、紅茶片手に机を挟んだ向かいのソファーに座っていた。
あの髪型どっかで見たことあんだよな……って思ってたら、学校の音楽室だった。あの額縁入りの写真で飾ってある、ベーなんとかってやつ。それとそっくりの髪型だ。
ちなみにこいつは、あの化け物がやってる会社のライバル社の社長にあたるらしい。名前は、フィンガー。今日は、化け物と仕事の話をする為、晩餐に呼ばれたらしい。実際の所、晩餐なんてこれっぽっちも予定されていない。あの化け物がそんな大事な事を忘れるとは思わないし、セルフィも知らなかったのだ。確実にこいつが嘘をついている。たく、とんだ迷惑でしかない。
ちなみに、化け物は、会議があって帰ってくるのが遅くなるらしい。フィンガーに後日と言ったが、頑として帰らないと言ってるからさぁ大変。
そうなると、化け物が帰ってくるまで誰かがこいつの相手をするしかなくなるわけで。その役に何故か白羽の矢がたったのが、俺。しかも、この部屋には俺とそいつしかいない。なんでって? 目の前の奴のご希望だからだ。
まじでなんで俺なんだよ。
「で、あいつは朕の事を馬鹿にしてだな」
「……」
しかも、こいつの話。全部あの化け物の悪口なんだけど。まぁ、俺が椅子に座ろうとした所から、家畜なんだから、自分達と同じ目線なのはおかしいとか。さすが化け物は教えることが違うとか意味わかんねぇこと抜かすから、どかっと床に座ってやった。座り方が雑とか言われたらうるせぇから、きちんと正座で。
そしたら、座る作法が横暴だの。自分の飼っている人間の方が賢いだの、お前にはペットの自覚がないのかだのうるさいうるさい。変わってくれーって誰かに言いたいが、残念ながらこいつが人払いしたせいで、外にも使用人はいない。
セルフィは化け物迎えに行っちまったし、アミラはこいつに無理矢理帰らされた。くそ、アミラがいればまだマシだったのに。
「ーーでだな。聞いてるか人間!」
「はいはい。聞いてますよー」
適当に返事を返す。右から左に流れちまって数秒前の話も覚えてないが、まっ、許されんだろ。寧ろ、一応聞いてる風にしている俺を誰か褒めて。
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