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「なんでこんな面倒でうるせぇ奴が、あいつのライバル社の社長なのやら」
文句があるなら、本人の前で言えばいい。それで諍いが起きるなら、互いに分かり合うまで本音をぶちまけ合えば数時間後には和解している。たまに手が出るのはご愛嬌。でも、おやっさんと喧嘩仲間以外の時は、きちんと手加減をすること。それが俺の持論だ。
現に俺は、そうやっておやっさんや母さん達とコミュニケーションを取ってきたし、そのスタンスは変えるつもりは無い。この世界だと、言葉が通じないっていうのが面倒な所だが、筆談と言う手をゲットした俺にとってみれば、もう怖いものはない。
ジークの言葉もあるけど、そもそもこいつと会話を成立させたくないっていうのがあるから、今はあえて使ってねぇけど。
「ふぅ、そろそろ話疲れたな」
それはなにより。俺も流石に頷くのが面倒になってきたところだ。
「おい人間、なにかしろ」
「は?」
「なにかしろと言ったのだ。出来んのか!」
何かって何すればいいんだよ。玉乗りでもすれば喜ぶか?
動かない俺に焦れたのか、触手が俺の方に伸びてくる。慌てて立とうとしたが、長時間曲げられていた足は思った以上に痺れており、逃げるのが遅れた。
「うわ!」
体を持ち上げられ、フィンガーの横に這いつくばされる。なにさせんだこいつ!
「離せ!」
「暴れるな! たく、主人が主人だとペットもペットだな」
「うるせぇ!」
「朕は寛大だから許してやろう」
人の悪口散々言ってたやつが寛大ならこの世界は終わりだな。ニヤニヤ笑って近づいてくるフィンガーを睨みつける。唾吐きかけてやろうか? あ?
「黒髪の体液は他の髪色よりも美味いと聞く。この素晴らしい才能で溢れた朕が食べてやろう。光栄と思え」
「は?」
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