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⑤
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「……だが、どうすればこんな痕が付くんだ?」
「はい?」
化け物の率直な疑問に、俺はぽかんとしてしまった。こいつ、キスマーク知らんのか? それはちと意外だ。化け物は、自分の味方というか仲間に対して、執着のようなものがあるから、それこそ執着の証と言っても過言ではないキスマークなんて、普通に知ってると思ってた。
けどまぁ、知ってたら知ってたで、俺とか付けられてそーだけどな。
「おい、フィンガーになにをされたか教えろ。あいつに出来るんだ。俺にも出来るだろう。その跡の上から俺のを付け直す。いや、付け直すだけじゃ足りないな。服を着てても見える所にも付けてやる」
「嫌だ! ぜってぇ教えねぇ!」
「旦那様、それはーー」
「セルフィ、ぜってぇ教えるな! 教えんなよ!」
いつの間にか現れたセルフィに、俺は怒鳴る。キスマークの方法なんてこいつが覚えたら、ぜってぇ消えることが無くなる。で、アミラとか見られて、良かったねなんて、変なこと言われんだろ! そんな羞恥プレー死んでも嫌だ!
なのに、セルフィは事細かに化け物に教えやがった。
「ほう、そうするのか」
「はい。といっても数日で消えてしまいますが」
「ならまた付け直せばいい。こいつが俺のだという印が欲しかったからな。丁度いい」
ほら、やっぱりそう言う。
俺は降参の意味を込めて、両手を上げた。紋章の影響で、今日はもう抵抗する力がねぇし、正直あの状態がもう少し続いてたら、俺はショック死してただろう。そういう意味では、化け物に助けられたという訳だ。原因もこいつなのだが、そこはまぁ紋章の力が分かったからいいとしよう。
だが、あんなにも紋章の力が強いとはな。今日みたいに運良く化け物が通れば話は別だが、次はきっと確実に死ぬ。
死んだら元も子もねぇしな……。屋敷から出ること無く情報が仕入れられる方法を考えた方がいいかもしれない。
「行くぞ。掴まってろ」
「はいはい」
それから俺は、化け物に風呂場で隅々まで体を洗われた。フィンガーの体液は気持ち悪かったし、それはありがたい、ありがたいのだが。
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