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フリークスと別れ屋敷に帰った後、俺を待ってたのは、何故か床にひれ伏したホクトだった。よく分からない挨拶の仕方に、俺が首を傾げていると。
「社長! おかえりなさいませ!」
「アミラか。……すまない。これはなんだ?」
「トール君から習った土下座という謝り方です」
「どけ?」
さらに首を傾げる。どういうことだ?
「ホクトですが、トール君の誘拐手引きをしただけじゃなく、ワープ阻害術を使われた後、すぐに助けに向かわなかったと伺ったので、ちょっとキツいお説教をしただけですよ」
「……グスッ」
「……」
俺は思わず額を抑えてしまった。アミラは普段はニコニコとしているが、怒らせると俺でも青くなってしまうほどの恐怖のお説教が始まる。それがまた、精神をごりごりと削ってくるので、尚更怖い。俺とフリークスは1回受けたことがあるが、その日は精神的にやられてご飯が喉を通らなくなった。
俺がトールの誘拐の話を受けて屋敷まで戻ってくるのに3日掛かってる。その間、アミラから報告書が来ていたから、つまりそういう事なのだろう。
「兄……様、ごめ、なさ」
「謝るならあれに謝れ。今はあいつを見つけるのが先決だ」
「は、い……」
顔を上げたホクトは、もう悲惨と言えるような顔をしていた。その表情を見たら、もう怒る気が失せてしまった。というより、これ以上叱るのは可哀想な気さえしてきた。
「アミラ、情報は集まったか?」
「どうやら、向こうは用意周到に用意していまみたいで、有力な情報はまだ。ただ、少し引っかかる点があるとセルフィさんが調査に行ってくれてます」
「分かった。引き続きあれの検索をしてくれ」
「分かりました! ほら、ホクトいくよ!」
「分かった」
バタバタと駆けていく2人を見ながら、俺は溜息を吐き出す。トールにかけていた契約は、トールの誘拐の報告を受けた夜に強制解除魔法で解除されたのを感じていた。だが、場所が遠かったせいか、それがどこだったのか、感知できなかったのだ。これは今の状況では痛手にしかならない。
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