アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
神様
-
ーー夢を見た。とても現実味があるのに、幻想的な夢を。
俺はそこで、神と会った。
「……ぁ」
「お、起きた! 大丈夫ですか! 僕の言葉分かりますか!?」
「……ぁ?」
俺は声の聞こえた方へ体を動かそうとしたが、拘束されたかのように全く動かなかった。しかも、目には何か巻かれているのか、視界には白い布しか映らない。
「あ! 今包帯取りますね」
声とともに、布が外される。どうやら、包帯が巻かれていたみたいだ。少し眩しくなる視界に瞬きを繰り返し、ピントを合わす。
「目、見えますか?」
「! ……ぇ!」
目を見開く。そこにいたのは、黒髪の人間だった。年は十代前半だろう。肩にかかる長めのストレート髪に、少し大きめの茶色い瞳。肌は白く、一瞬女の子と間違えそうになる程の美貌。
美少年。その言葉がピッタリの子だ。
「ぁ……」
「あの、これを飲んでください。喋れるようになるらしいので」
「ぅ……」
少年に手伝って貰いながら、水差しに入った淡い紫色の液体をゆっくり飲み込んでいく。最初、麻酔がかかっているのかと思うほど喉を液体が流れていく感覚がなかった。が、徐々にその感覚が戻ってくる。
「どう、ですか……?」
「……ここ、は?」
口から出た声に、俺は目を丸くしてしまった。自分の声の筈なのに、まるで久々に出したかのように、嗄れてか細かったのだ。
自分の発した言葉のはずなのに、聞き取れないとか、どんだけだよ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
76 / 241