アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
②
-
「ここは、獣国にあるフォン村です」
「け、もの?」
「はい。あ、すみません! 自己紹介まだでした。僕は、狼谷玲桜那(かみや れおな)って言います。こっちの世界では、レオと呼ばれてます。えっと……」
「鉱透琉。ケホ、こっちでは、トールって、呼ばれてる」
「そしたら、トールさんって呼びますね」
「いいぜ」
「…… 良かった、やっぱり日本人だった。リオンにはそう言ったんですが、もしかしたら、韓国人とか中国人だったらどうしようかと思ってたんです」
「リ……オン?」
「僕のご主人様で、獣族です。トールさんを助けたのも、リオンなんですよ」
そうだったのか。じゃあ、あの最後に感じたフカフカはそのリオンのものかもしれない。
「リオンが血だらけのトールさんを連れてきた時は驚きましたが、目が覚めて良かったです」
レオの言葉で、朧けながらも思い出す。そうだ、俺はあの獣族に暴行を受けて瀕死だった筈だ。右目も潰された。あれは完全に失明だろう。
「……」
なのに、なんで普通に両目とも見えているんだ?
「詳しい話はリオンからあると思います。あ、リオンはトールさんをいじめたような奴とは違いますので、安心してください。少し見た目は怖くて、口が悪いですが、とっても優しいので」
厳つい顔の奴なら、喧嘩の時に散々見慣れてるから大丈夫だと俺は高を括るっていた。
リオンと言う獣族を見るまでは。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
77 / 241