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「今日のリハビリは、これくらいにしますか?」
「いや、少し休んだら、もう1回やる」
「そんな急がなくても良いと思うのですが」
「……早めに動けるようになりてぇんだ」
額の汗を拭う。早く動けるようになって。それで……。
「(あの屋敷に行く)」
あれから色々考えた。もう忘れた方がいいではとさえ思った。が、忘れるどころか、日に日にあそこに俺の居場所はもうないのか確かめたい気持ちが強くなっていくばかりだった。
だから、決意した。1度で良いから、あの場所に行こうと。
もしも、本当に俺の居場所がないと確認出来たら、このもやもやした気持ちにも、きっと踏ん切りがつくと思うしな。そうすれば、俺は本格的に元の世界に戻る方法を探す事だけに集中出来る。
レオに聞いたら、触手国は国を1つ越えないといけないらしい。普通のやつならそこまで苦労しねぇかもしれないが、黒髪で人間の俺は考えられる危険は倍になる。そうなると過酷かもしれない。寧ろ、行かない方がいいとさえ思う。
それでも、行かないといけねぇ。それが俺のケジメの付け方だ。
「わかりました。無理だけはしないでくださいね」
「あぁ。付き合わせて悪いな」
「そんな。僕は悪いと思ってないです!」
「そうか……。ありがとうな」
「はい!」
俺は目を閉じる。ふっと浮かぶのは、化け物の横顔。目が覚めてから、1日に何回かこんな現象が起きている。その度に思う。
あいつも、俺の事を少しでも思い出してくれてるだろうかと。
「そういや、あいつの名前、聞けなかったな」
皆、社長やら旦那様やら呼ぶし、本人も名乗らなかったせいか、未だに知らない化け物の名前。
もしも、また出会えて、あいつが俺の名を呼んでくれるなら。
ーーその時は。
「聞きてぇな、名前……」
呟きながら、俺はゆっくりと目を閉じた。
ーー
いいね700突破ありがとうございます!
アバターなのですが、すみません。私生活がちょっとバタバタしてて、まだ制作段階です……。ごめんなさい。
なので、いいね1000突破の時に3人同時に出したいと思います。誰が出るかはお楽しみで!
本当にありがとうございます!
これからもよろしくお願いします(*^^*)
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