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「俺は……」
「社長!」
口を開こうとした瞬間、扉を壊す勢いでアミラが社長室に転がり込んできた。滅茶苦茶急いで来たのか、全身で呼吸をする程、息が切れている。
「しゃ……、社長。これ、これが……」
「アミラくん、落ち着いて」
「落ち着いてなんていられません! トール君見つかったんです!」
トールくんが見つかった。それにいち早く反応したのは、しゃちょーだった。ひったくる勢いでアミラが掴んでいた便りを触手で掴むと、食い入るように読んでいく。
「トールくん見つかったってほんと?」
「はい、どうやら、獣国の刑事の元に保護されてるみたいです」
まさか、見つかるとは。本当に奇跡に近い出来事だ。
「フリークス。俺は獣国に行ってくる」
「うん。いってらっしゃい。あとは俺が何とかしとくよ」
それが、親友に心無い言葉ばかりぶつけた自分の償いだろう。
さて、頑張りますか。としゃちょーとすれ違った直後。
「ありがとう。フリークス」
「え?」
「俺はお前のそういう所に救われるんだ」
閉まった扉をしばらく眺めた後、俺は思わず噴き出した。なんだよ、それ。
「俺は、ただのお節介野郎だよ」
昔のあいつはそれに救われたのかもしれないけど、今回は必要なかったみたいだな。
「さーて、やりますか」
グッと背を伸ばし、俺はデスクへと向かった。
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