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「っ……ぁぁぁぁぁあああぁあぁぁぁ!」
みっともなく声を上げて、俺は泣いた。
人間はこっちの世界では下等生物も同等だ。3ヶ月も姿を消したら死んだと思ってもおかしくない。だから、化け物はきっと俺を探してないと、どこかであきらめていた。
なのにこいつは、3ヶ月という長い時間をかけて、俺を見つけ出してくれた。
「俺……俺……!」
怖かった。
痛かった。
辛かった。
苦しかった。
堪えていた負の感情が溢れて弾ける。
けど、なによりも俺の感情を締めていたのはーー。
「あんた…に、会い、たかった……!」
こいつが近くにいないという、寂しさだった。
いつの間にか、俺の中で化け物がそばに居るのが当たり前になってた。無意識にこいつの温もりを求めていたのだ。
それで、気付いた。
俺は化け物が、目の前のこいつが好きなんだって。
「グスっ、ヒック!」
レオとリオンに迷惑をかけまいよう、必死に張っていた虚勢が熱い雫となって頬を滑り落ちていく。
レオが居なくて良かった。こんなかっこ悪い姿、あいつには見せらんねぇ。
「ト、トール! どうした!? あいつになにかされたのか!?」
「あー。おい、触手、そいつの背中を優しく叩いてやれ」
「どういう事だ?」
「いいから、優しくだぞ」
「……分かった」
「グスッ……ヒック」
「……」
ーーポン……ポン。
化け物は、ぎこちなくも、優しく俺の背中を叩いてくれる。それが余計嬉しいくて、涙が溢れる。
「色々と聞きてぇことはあるが、まずはトールが泣き止んでからだな」
やれやれとため息を吐いているらしいリオンに、化け物は少し苛立ちを見せてる。いや、苛立ちじゃない。もっとムスッというか、なんいうか。
なんか、拗ねてる?
「おい、獣」
「あ?」
「お前にこれの名を呼ぶ許可は出してない」
「こいつの名前呼ぶのに、許可いるのかよ」
「これは、俺のものだからな。……それに、俺は3ヶ月もこいつの名を呼べなかった」
「……めんどくせぇなお前」
「……はは」
そんな会話をしてるリオンと化け物に、俺は泣きながらも思わず笑ってしまったのだった。
ーーー
アンケート投票ありがとうございました!
結果、トールのお話に決まりました! さっそく書き始めたいと思います!
&イイネ1000越えありがとうございます!
本当に、ここまで来れたのは皆様のお陰です。本当の本当にありがとうございます(*^^*)
アバターですが、本日の夜辺りにあげる予定ですので、よろしくお願いします!
これからも《俺と人外達の愉快な日常》をよろしくお願いします!
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