アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
二人の夜
-
あれからなんとかリオンの家に戻ると、レオがすごく心配してた。それはそうだ。家に帰ってきたら、留守番してる筈の俺がいなかったんだから。
先に帰ってきてたリオンから事情を聞いていたとしても、心配を拭いきれなかったんだろう。レオは俺の姿を見るや否や、涙目で叫び声を上げた。
「どこ行ってたんですか! 心配しました!」
「ごめん。ちょっと色々あってな」
「無事帰ってきたなら良かったです。えっと、この人は……」
「あー。俺の飼い主?」
化け物は、レオをマジマジと見つめる。まぁ、黒髪の人間は珍しいらしいしな。俺と初めて会った時もじーっと見つめてきたし、これが普通の反応なのだろう。
一方レオは、初めて見た触手族に、石像のように固まっていた。数秒向き合った後、化け物がリオンの方を向く。
「これが、レオか?」
「そうだ。可愛いだろ」
「確かに、可愛いな」
「うわ! 触手!?」
突然伸びてきた触手に、レオはビクリと肩を跳ねさせた。まぁ、普通ならそういう反応になるよな。しょうがねぇ。俺が助け舟を出すか。
「レオ、大丈夫だから触ってみろよ」
「は、はい」
恐る恐ると言った感じで、レオが化け物の触手に触れる。最初はぎゅっと目を瞑っていたレオだが、触った瞬間、目を輝かせた。
「ぷにぷに! 気持ちいいです!」
「先端つつくとパカって開くぞ」
「わ! 本当ですね……すごいです!」
よっぽど触手の感触が気に入ったのか。レオはひたすらぷにぷにと触手をつついていた。化け物も化け物で、満更でもないみたいだ。いつの間にか、レオに触れている触手が増えていた。
「わわ! 擽ったいです」
「ちょっ! おめぇどこ触ってんだ!」
「触手族は、お互いの肌を触手で触るのが、挨拶なのでな」
「うそつけ! レオを離しやがれ!」
べりっと化け物からレオを離すリオン。ぐるぐると歯をむき出して唸る姿は、まるで、主人を守る犬のようだ。守られてる主人はぽかんとした顔で首を傾げていたけどな。
「だが、その人間よりこれの方が、さわり心地はいいな。おい、触らせろ」
「たく、今日だけだぞ」
腕を出すと、するりと再び触手が肌に巻き付く。最初は気持ち悪さしかなかったが、今では心地よさすら感じる。慣れとは恐ろしいものだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
95 / 241