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目が覚めると朝だった。昨日夜通し抱かれていたせいか、腰が痛いし体もすごく怠い。
時計を見ればもう9時すぎ。確か陽向も今日はオフだったな。
キッチンから朝食のいい匂いがする。
ふと手に何かが嵌っている感覚がした。見てみると……
それは、左の薬指に銀色のリングが嵌められていた。
これって……
すぐに起き上がって服を着てキッチンに向かう。
鼻歌を歌いながら朝食の盛りつけをしている陽向に突進した。
「痛~、おはよう莉月」
「これ、正気か……?」
穏やかな陽向とはうってかわって、俺は切羽詰まった声色で問う。
「もちろん。 ほら、俺も付けてる」
「本当に俺でいいの……?」
「いいに決まってる。 莉月は、嫌なの?」
その問いかけはズルい。
そんなの決まっているだろう。
「嫌なわけない、だろ!」
止めどなく涙が溢れて、止まらない。 こんなに嬉しいこと今まで生きてきた中でないくらい嬉しい。
陽向はそっと涙をふいて、俺たちは深く口付けをした。
俺は幸せ者だ。
END
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