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なんとか教室に着いた
なんで俺がこんな苦労をしなきゃあならんのだ
「なぁ、今のなに?神山から、たまに話しかけられてるけど、いっつも逃げてるよな。いい加減教えろよー」
隣の席である亮介が、不思議そうに椅子に腰掛けながら見てくる
その問いに正直戸惑う
なぜなら、玲自体は全く悪くないからだ。みんなに優しくて、明るくて、クラスの中心、物語の主人公って感じ。
問題は玲の周りだ。小学生の時から仲が良かったせいか、いつも誰からか視線を感じたし、釣り合ってないと悪口はもちろん、靴、体操着、教科書がなくなる嫌がらせや、強制的にラブレターを渡せと受け取らされたり、近くで写真を撮ってとお願いされたりと、面倒な目にあったのだ
男子校に行けば、こんな面倒ごとや、目立たなくて済むし、玲とも離れられると思ったから、偏差値70近い高校に入学した。なのにまさか一緒の高校だったなんて誤算だった
とりあえず適当に嘘をつくしかない!!
「いやーーえっと・・・あっ!高校デビューしてさ!中学の時の俺を知ってるから、なんか恥ずかしいんだよね!はははっ!」
作り笑いで嘘をつくと
「翔太・・・中学の時知らないけど、全くデビューできてないと思うよ。校則違反なんて全くしてないし、ヤンキーでもないし」
悲しい目で俺を見てきた。ちくしょう!自分になぜかダメージが!
「それよりHR始まるよ!」
俺はとりあえず話を終わらせた
玲に関わることで周りからのいじめ紛いな扱いを受けたくないと言ったら、亮介に幻滅されてしまう
けど高校デビューはないか。嘘下手すぎるな
授業はいつも通り真面目に受けて、休み時間は亮介と適当に5人くらい集まって昼食を食べた
亮介は友達が多いから、いつも昼食は複数で食べている。
それに誘われて、一緒に食べてる感じだ
あぁ、平凡だ。なんて幸せな日々
そしてあっという間に放課後になった
亮介は部活だしゲームでもしようかな
特に放課後する事もなく、ぼーっと学校から自宅への坂を下る
「翔太!」
急に誰かに後ろから腕を掴まれた
「うわ!?・・・・・玲!」
びっくりして振り返ると、女子ならきゅんっとくるだろうイケメンフェイス
今日は厄日だ。間違いない
「今帰り?」
「うん。」
笑顔で話しかけてきたけど、最近避けていたこともあり、謎の罪悪感で俯いきながら返事をした
「今日暇ならさ、俺の家来ない?」
玲の家?!最近全く話してなかったのに、家なんて何喋ればいいんだよ!!
「いや!今日さ!友達と遊ぶんだよね!」
また嘘をつく
今日は嘘しかついてない気がする。とりあえず行きたくない!玲のことは嫌いじゃないけど、また仲良くなって学校で話しかけられたら!俺、今度こそ高校でもいじめられる!
「・・友達って五十嵐ってやつ?」
明らかに不機嫌そうな表情を向けてくる
「うっうん!そうそう!」
「あいつなら今日は部活だよね?体育館で見たんだけど。」
すぐさまバレたーーーー。
どうすればいいんだよ!!最高に気まずい!!
けど、俺に学校の外でも遊ぶような友達はいないから、名前もでてこない!
「・・・・・あっそれは明日だったかぁ!間違えた!」
顔に笑顔を貼り付けてるつもりだが、大丈夫だろうか!
顔に冷や汗が!!
「じゃあ今日は暇なんだね。」
「そ〜いう事になるのかな??」
「じゃあ行こうか。」
「え!ちょっと!」
有無を言わせずに玲は俺を自宅へ連れて行った。行きがけ一言も会話はなかった。いや!すぐバレる嘘をつく俺が悪いんだけどね
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