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「どうだった美術部は。」
歩くたびに腰が痛いがどうにか昼休みになり、今日は天気がいいため亮介と屋上に来ていた
「俺には向いてないかもな。」
「結局頼みごとってなんだったんだよ。」
「あっあれね、地獄絵図すぎて言えない・・。」
「何で教えろよ、気になるじゃん。」
「んーー。」
魔法少女の格好させられたって、普通にひかないか。思い出したくもない記憶だ。けどその後起こったことが酷すぎて可愛く思える
まぁ言ってもいいかなぁ
俺は昨日あったことを亮介に話すことにした。話をすればするほど表情が曇っていくことは気にしないようにした
「翔太って本当馬鹿だよな。」
「いえごもっともです。」
「頼まれたら何でもするの?」
「そんなことはない!足を開くのは断った。いや逃げた?断ってもらった?」
「足を開くってなに?!襲われたの?!」
ぐっと俺の方に近づいてきて肩を掴まれる。
襲われるってそんなに貧弱に見えるのかな、それになんか妙に顔が近い気がする
「襲われるわけないじゃん!俺なんかを襲って何が楽しいんだよ。」
「いい加減気づけって!!翔太って可愛いんだから!!」
俺が可愛い?そんな訳はない、今まで平凡だの、ストーカーだの言われてきた俺が可愛いなんてある訳ない
何故か耳まで真っ赤にしてる亮介。なんでそんなに赤いんだ、顔を傾けて観察してみる
「そんなに見るなって!」
「あっごめん。」
謝ると顔面に手を当てて下を向いてる、こんな慌ててる亮介初めて見た。多分あれだ、可愛いなんて間違った事言ってしまった恥ずかしさだ。たまに日本語間違える事俺もあるから分かる
「うん、大丈夫だよ。よくある、よくある。」
「何がだよ、絶対また勘違いしてるだろ。」
じろりとこっちを見てくるが、まだ顔が赤くてなんか亮介の方が可愛い
「まぁいいや、それより断ってもらったって他に誰かいたの?」
これは言っていいのか、けどその後の話をしなければ大丈夫だろう
「うん。途中で玲が止めてくれた。」
「また神山かよ!なんであいつは翔太が居る所に絶対いんだよ、絶対おかしいだろ。あいつとどんな関係なんだよ!」
じぃーっと俺の目を見てくるから、もうこれは白状した方がいいと思う。亮介は俺にとって特別な存在だし、まだ数ヶ月だけど一番信用している
「えーと中学生まで親友だったんだよ。」
「・・へぇあの神山とね、なんかこう言ったら変だけど意外な組み合わせだな。」
「そうなんだよね、全然釣り合ってないよね。」
「そんな意味じゃなくて、なんだろう神山って何考えてるか分からない感じだろ、完璧に見えるけど心がないっていうかさー。なんて言ったらいいんだろう。あっ翔太とは正反対!」
これってディスられてる?確かに顔面に何考えてるか書いてあるって言われることはある
「俺も玲のことはよく分かんない。」
「親友でも分からないなら、そりゃあ俺なんかが分かるわけないか。けど何で今は仲良くないんだよ。」
その経緯を話すのは正直怖い、いじめられてた事を話したらひかれないだろうか。亮介はクラスで人気者で俺とはカーストが違う学校生活を送ってきただろうから、馬鹿にされたらどうしよう
そんなことはあり得ないって思うけど、過去を知られるってすごく怖い
膝を抱えて座ったまま下を俯く
「俺は翔太のこともっと知りたいなと思ってる。別にそれを聞いて今ここにいる翔太を評価するつもりもないし、どんな人間だったっていいと思う。すごく性格が悪くてヤンキーだったとしても、眼鏡かけたオタクだったとしても。それが今の翔太を形成する一部だったら良いんじゃないかと思うよ。」
顔を上げて亮介の方を見ると、いつも通りの笑顔でこっちを見ている
ああ、やっぱり亮介の事好きだ
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