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やっぱり俺とは住む世界が違う。殿様と年貢を納める平民くらいの差だな。勉強も運動も出来て生まれつきの才能なのか
そんな事を次々走っている人達を見ながら考えていたら、明らかにオーラが違う人がスタートラインに立っていた。玲を見た後でも目を奪われる程の美形は、やっぱり1人しかいない。
棗君だ
走り出した棗君を見ながら、なんかの青春映画のワンシーンだなぁと感心する。そして走るのも早いし陸上部でもなんでもないがフォームが綺麗な気がする。体操着が自分と同じ物とは思えないほど高貴な服に見える
1番にゴールした棗君は、一緒に走った人にピースサインをして頭にチョップをくらっている。大袈裟に痛くて泣いたふりをして、すぐ人に囲まれ笑い合っている姿はやっぱり若手俳優にしか見えない。すごく絵になる
あんなに美形なのに肩を組まれていじられている棗君 は、みんなに好かれててどっちかというとムードメーカー的な存在なんだろうか
俺だったらあんな美形にチョップなんで出来ない。やっぱり楽天的で愛されキャラなんだな
「翔太、お疲れ」
ぼけーっとしていたら声をかけられ上を向くと、にこっと笑いながら亮介が隣に腰掛けてきた。気がつけば左右に整列してたクラスメイトがいなくなっていて、列は乱れてみんな適当に座っている。
「お疲れ、絶対運動不足だ体がキツい」
「普段走る事なんてスポーツしないとないから、そりゃあキツいかもな」
「筋肉痛になりそう、あっ亮介はやっぱり走るの早かった」
「さんきゅ、リレーのアンカーを小学生からずっとしてるから今回も狙ったんだけど、大丈夫かなー」
「ずっとってすご!多分クラスでは一番早かったと思う」
「そうだと良いけどな」
またまた白い歯を見せて笑ってみせる亮介を見て、やっぱり亮介もイケメンだなと思う、女子なら最高の学校生活だろうけど、俺にとっては惨めになる要素しかない
しかしリレーのアンカーなんて人気者で、運動神経抜群のクラスの権力者の役割だ。それをずっとしてるなんて亮介も住む世界が違う・・・
「覗き魔くーーーん!あと亮くーん!」
ふわふわ浮いたような声が耳に入り、これは棗君の声だと脳が理解する。関わりたくないという感情が体を支配してもっと体が重くなるが、無視する訳にもいかず声の方を向く
大きく手を振りながら笑顔の棗君
やっぱりかぁ・・・
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