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昼休み亮介達とご飯を食べる気分にはなれなくて、購買にあるパンを2つ買い裏庭で食べることにした
裏庭は比較的人も少ないし誰かに会うこともなく、とにかく庭園が綺麗なんだ
やっぱりと言うべきか、誰もいないから貸切状態。白のベンチに腰掛けパンを頬張る。1人で食べるなんて中学校以来かも、高校に入学してからずっと亮介と一緒だったからなぁ。前は全然感じなかったけど・・寂しいな
早く仲直りしないとな・・というかあれは喧嘩なのか?告白みたいなものをされたけど、どうしたら良いんだろう。そもそも好きっていうのはラブのやつ?ライクじゃないんだろうか?けどライクでキスなんてするか普通?
パンを2つ食べ終えて考えても仕方ないって事にして、とりあえず庭園の風景を楽しむことにした
「翔太!」
ぼうとしていたら急に声をかけられ、そっちに視線を持っていく。黒髪にモデルスタイルで少し遠目からでもキラキラオーラが見える
うわ・・・玲だ。
というか何で俺がここに居るって分かるんだろう?偶然にしては出来過ぎのような・・・
「なんでこんな所にいるの?」
爽やかな笑顔で話しかけられるが、それは俺が聞きたい。何でこんな所に人気者の玲が1人でいるんだ?
もしかして玲もこの庭園がお気に入りなのかも。誰が見てもこの庭園は綺麗だから癒されるからな
話そうとするけど、やっぱり俺は正直玲が怖い。忘れようとしても、忘れられるわけない。何でこんなに自然に話しかけてくるのか不思議でたまらない。この間無理矢理犯された記憶がフラッシュバックする。下を向くと手が震えている
「・・ちょっと休みに来た」
顔を見て受け答えできなくて下を向いたまま話す
「そっか、今日は五十嵐はいないんだね」
「亮介とは・・喧嘩しちゃって・・」
ん?つい口が滑って言ってしまった。適当に流せば良かったのに喧嘩の内容を、色々聞かれたらどうしよう
「そうなんだ」
それだけ言うと玲は俺の隣に座る
ずっと友達でいただけあって玲は、俺が聞いて欲しくない事は聞いてこない。そっか・・そういえば前からそうだったな
「翔太・・ごめんね、俺こないだからずっと翔太の事考えてた。」
下を向いていると意外な言葉が返ってきたので、顔を上げる
俺だけじゃなくて玲もやっぱり気にしていたんだ・・。
そうすると玲と目がバッチリあった
「翔太が避けるから俺どうにか繋ぎ止めたくて・・けどどうすれば良いか分からないし、他の人と仲良くしてるの見るとなんか腹が立ってどうしようもなくて・・・」
多分俺なんかに構わなければ拒否られる事なんてないだろうに、ちょっとそれには罪悪感が生まれる。けど無理矢理された時凄い怖かったし、痛かった
「少なからず俺も悪いとこいっぱいあったと思う・・それはごめん。無理矢理してきたことは・・一瞬玲じゃないみたいで怖かった。それにとんでもなく痛かったんだぞ!」
「うん。・・・本当にごめん、もうあんな事絶対しないから」
「もう絶対ダメだから!そっそれとあんまり近づくなっ!!」
あまりにもインパクトの強い出来事だったからか、距離が近いと怖い
「そうだよね、俺最低だよね」
玲の瞳が下を向き俯かれる。うう、そんな顔しないでくれよ、怖いのに許したくなる。それよりもさ
「だいたいなんであんな事すんだよ・・」
思わず口に出してしまった。玲の方をちらっと見てみると
「俺はずっと翔太が好きだからだよ」
「え?・・・・ムカついて性欲処理につかわれたんじゃなくて??」
「俺のことそんな風に思ってたの?」
「いや!だって!!そんな感じ全くなかったから!」
「それは鈍感すぎるからだよ」
「うぅ。それはしょうがないんだって。恋愛なんてしたことないし」
「この間のことは許して欲しいなんて言わないから、もう一度友達でいいから側にいれないかな?」
「とっ友達??」
泣きそうな玲の表情を見て俺は断ることなんて出来ない。
というか拒否権はないような気さえしてくる
こんなか弱そうな玲は初めて見た。もしかしたらこれが本当の玲なのかな?初めて玲の核心に触れたような感じがする
「・・・うん。こんな俺で良かったら」
「・・嬉しい!!」
そう言うとガバッと抱きしめられる。一瞬怖くて目をぎゅっと瞑る。手が震えてくる。胃が締め付けられるような不快感に襲われる
「いやだっ!!」
割と大きな声で咄嗟に拒絶の言葉がでる。両腕で肩を力強く押すが身体は離れることがない
「翔太、ごめんね。けど離せない」
「っあの!ごめん!俺違くて・・」
どう考えても玲が悪いと思うけど、友達に対して拒絶してしまったことに罪悪感を感じる
「友達ならハグくらいさせて欲しいな」
抱きしめられたままま耳元で玲の声が響いて聞こえる。確かにいつも玲は抱きついてきていた。俺もそれが普通になって、流していたけど今思うと友達でそんな事するのか?
「・・・うん?」
「ありがとう」
この間とは全く違う高圧的な声じゃなく、俺が好きな安心する声だ
強く抱きしめられていると小学生の頃から泣いてると抱きしめられていた感覚を思い出して、自然と怖くなくなる
不思議だな
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